MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第2話 白河 ことり
◆◆◆
チンピラ三人衆を憂さ晴らしにグチャグチャにして適当に路地裏に吊るして、俺は自販機で飲み物を二本買ってきた。
勇人「ほらよ」
その内の一本であるオレンジジュースを赤髪の少女に投げ渡す。
少女「あ、ありがとう…ございます……」
まだ先程の出来事が忘れられないのか、少々ビクつきながらも缶ジュースの蓋を開ける。
その様子を横目で見ながら俺も買ってきた缶飲料の蓋を開ける。
少女「Σってそれお酒じゃないですか!?」
勇人「あ゙ーん?」
少女に投げ渡したのはオレンジジュースだが、今俺が飲もうとしているのは缶ビールである。
昼間から酒か? と問いたくなる奴もいるかもしれないが気にするな。気にしたら負けだ。
勇人「いーだろうが別に、何飲もうが」
グビッと人飲みする。
あー、仕事後(?)の一杯はタマンナイねぇー。
少女「…………」
少女から何か変な視線が流れる。何だよいったい。爺臭いとでも言うつもりか?
勇人「ソレ飲んだら早く行けよ。じゃねぇと、またあーゆー輩に絡まれるぞ?」
あーゆー輩というのは言わずもがな、さっきのようなチンピラ三人衆である。
勇人「見たとこ学校帰りみたいだが、ダチと待ち合わせでもしてたのか?」
少女「いえ、家に帰る所だったんですけど………」
帰る所に絡まれたか。そりゃ難儀だな。
学校でもなんかそんな感じがするぞこの嬢ちゃんは。
勇人「…その制服、風見学園のものだな。近くに住んでるのか?」
ま、学生寮という可能性はさっきの会話でなさそうだし。
少女「はい。まぁ……」
さすがに初対面の男。それも見た目若い青年が真っ昼間から缶ビール渇食らっているような怪しい奴に、近くに住んでいるとかは言わんか…。
勇人「実はこの島に引っ越してきたんだがな。住所は分かっているんだが地図が良く分からなくてな」
この場所分かるか? と少女に地図を見せて、そこに書いてある住所を読ませる。
少女「日本地図っすか……」
さすがに言葉も出ないようである。
当然か。
少女「あっ、此処って……」
少女が何か思い出したかのように声を上げた。
勇人「知ってるのか?」
少女「はい。少し前から工事してて最近大きな家が建っていましたから」
おそらくそれだな。
俺は少女からそこに行くための道筋を聞こうとするが
少女「家の直ぐ近くですから、付いてきてください」
どうやら案内してくれるそうである。
ま。土地勘ある奴に任せたほうがいいよな。警察は好かないし。
ことり「私、白河 ことりって言います」
勇人「俺は神爪勇人。勇人でいい。んでコッチが―――」
俺は肩に乗っている黒猫を前に出す。
勇人「使い魔のレンだ」
ことり「使い魔………?」
レン「…………」
レンは無言で白河ことりを見て、ニャと小さく鳴いた。
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