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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第19話 純一の許嫁





◆◆◆



《風見学園食堂・昼休み》




翌日……。




俺は1人食堂へとやって来て、食堂にいた朝倉兄妹と席を共にした。



ことりは加奈子と智子と一緒に中庭で弁当を食べるそうだ。



ま、別に何時も行動を共にしてるわけじゃないしな。




先日と同じように俺は大量のメニューをテーブルに乗せて、それを水みたいに飲んでいる様を見て音夢が唖然としていたが、直ぐに気を取り直して純一に尋問しだした。




なんでも純一達のクラスに、純一の許嫁と名乗る転入生がやって来たとか………。







勇人(ま、そこそこの魔力を持った人間が学園に来たのは感知したが……純一の許嫁ねぇ………)




純一は必死に音夢に対して弁明しているが、あまり信用してもらってはいないようだ。




そんな時、純一は何かに気づいて、指先を食堂の出入口に指した。





音夢もそちらに顔を向けると………









勇人「…あれが噂の転入生か?」



純一「ああ」





その転入生……胡ノ宮環はキョロキョロと辺りを見回している。




音夢「誰か探してるのかなぁ?」



勇人「……………」





胡ノ宮環は、突然自分が着ている制服に手をかけて……






……勢いよく脱いだ。








―――――バサッ!!






そして制服を脱いだ胡ノ宮は、何故か巫女装束になっていた。





純一「Σブフゥッ!?」




胡ノ宮環のその姿を見て、純一は食べていたうどんを吹き出した。




汚ねぇな………。






胡ノ宮は何処から取り出したのか、弓構えて、矢を放った。






――――ビュッ!!




―――パリンッ!!






放たれた矢は、とある男子生徒が食べようとしていた丼に命中し、丼鉢は真っ二つに割れた。






………何がしたいんだ?





胡ノ宮が男子生徒に謝罪した後、此方にやって来てペコリと御辞儀した。






環「こんにちは、朝倉様」


純一「あ、あぁ…こんにちは」



音夢「こ、こんにちは胡ノ宮さん」



勇人「純一、音夢……声が上擦ってるぞ?」



純一&音夢「「Σそんなことないって(です)!?」」



環「はじめまして、胡ノ宮環といいます」



勇人「こいつぁ御丁寧にどーも。はじめまして、神爪勇人だ」




ペコリと頭を下げて挨拶する胡ノ宮環に、俺も頭を下げて挨拶する。






勇人(胡ノ宮か………確か未来視の能力を持っていると聞いたが……)




先程の矢で真っ二つに割れた丼鉢を凝視する。



あれに何かあったのか……?




まぁ、流石の俺でも口に入れてみないと、食中毒が起こるかどうかとかは分からねぇが……。




純一と音夢と話していた胡ノ宮環の後ろに、見知った黒髪が突然フラッとやって来た。






烏哭「何や此処におったんか、環」



環「烏哭兄様」



勇人「………兄様?」



純一「剣儀は、環の親戚なんだよ」



烏哭「まぁ正確に言うなら、再従兄弟やけどな」




俺の疑問に、A組連中は答えてくれた。胡ノ宮の転入生挨拶の時に、一騒ぎあったんだろーな。






勇人(剣儀の家名は『魔連』の中でも有名だからな……剣儀の親戚ということは、やはり胡ノ宮環は―――)






胡ノ宮環と剣儀烏哭の2人と適当に会話し、後に俺達は各教室へ戻ることにした。






勇人(―――胡ノ宮環は『神道』……いや『神楽』の魔術を得意とする、未来読みの巫女か………)









◆◆◆



《天神通り・アストラルカンパニー》





初音島にある天神通りの一角に、今日新たな店が建った。



店の名は『アストラル』。



朝、昼は喫茶店で、夜はBARを営む喫茶&BARだ。



表向きは………。







ことりにも手渡した名刺にある通り、此所はアストラルカンパニー。魔連や魔術協会等の魔法組織に所属していない、秘密結社である。



秘密結社と言っても、裏社会では知ってる人は知ってる組織だし、表舞台でもアストラルカンパニーは様々な事業に手を出し、世界各国の資産家や王族・貴族達から強力な援助を受けて様々な同盟を結んでいることは有名だ。




勇人(ま、故に味方も多ければ敵も多いのだが……)




店内の清掃を終わらせ、扉に『4月よりオープン』の札をかけて俺は店から出る。







勇人(後は家へ帰って、仕事の続きでも―――)



セバスチャン「――勇人様」





何時の間にやら俺の背後にセバスチャンがやって来た。



急に現れんなよな……。





勇人「どうしたんだよ、こんな所で?」



セバスチャン「食料を買ってきましてね。これから帰ろうとしていたところで姿を見掛けたものですから」


勇人「………燕尾服でか?」





商店街を燕尾服で出歩くのは大分目立つ。実際今でも周囲の通行人達の視線はセバスチャンに釘付けだ。容姿ではなく主に服装に………。




勇人(何か普通の服を用意したほうがいいか……?)




そんなことを考えながら、俺とセバスチャンは帰宅した。






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あきゅろす。
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