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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第16話 その執事、再働




◆◆◆


《神爪家・勇人の部屋》


勇人「……っ………ぅ……」


窓から射し込む朝の陽射しの眩しさで目が覚める。
昨日ことりの件とか淀みの浄化とかで、結局深夜の4時まで島中を飛び回った。
草十郎の奴は「年寄りは寝るのが早いんじゃ」とかほざきながら早々に帰宅したから俺が奴の分まで島中を奔走する羽目になっちまった。
さて、今日も学校がある。俺が制圧した生徒会のメンバー集めや、新たにこの島に俺の『店』を建てるために動かなければならない。
今は2月の中旬。本校である高等部に進学するまでには完成させておきたい。
等々色々頭で考えてベッドからムクリと身体を起こした時、俺はふと自分の横に立っていた人物に気づいた。


セバスチャン「おはようございます、勇人様」

勇人「………………」


………一瞬思考がフリーズする。


勇人「…………何で居るんだよ、セバスチャン」

セバスチャン「勇人様に命じられた仕事が、思いの外早く片付きましてね。他の方々より私は一足先に、この勇人様の邸に来たのですよ」

勇人「………そうか」


俺はとりあえずベッドから降りて、机の上に綺麗に畳められていた制服に手をかけて着替え始める。


セバスチャン「朝食は出来上がっていますので、着替え終わりましたらリビングまで来てください」

勇人「おー」


バタン、と扉を閉めてセバスチャンは退室した。



◆◆◆


《神爪家・玄関》


勇人「んじゃ、行ってくる。後の事は任せたぞ」

セバスチャン「Yes,My Lood.」


家を出て、俺は風見学園へ向かうことにする。


勇人「……………」


白河家に目を向けるが、ことりの気配は既になく、どうやら学園へ登校したようである。
ま、昨日の今日だからな。無理に会う必要はないだろ。どうせ教室で会うんだし……。
時間にはまだまだ余裕があり、俺はのんびりと登校することにした。


◆◆◆


《風見学園中等部・3年C組》


勇人「うぃーす」


ガラガラと扉を開けて教室へ入る。
すると、教室にいるクラスメイト達は俺に視線を向けると“シーン………”と静まってしまった。
何なんだよ………?


加奈子「あ、神爪くん」

智子「おはよー」


ことりの席の回りに立っていた森川智子と佐伯加奈子の2人が、挨拶に応じてきた。
ことりも2人と一緒で、席に座りながら俺に向かって手を振っている。
とりあえず俺は自分の席に座り、ことり達の方へ顔を向ける。
いつの間にか静まってしまった教室は、普通の空気になっていた。


勇人「……さっき俺が入ったら教室が静まり返ったんだが、何かあったのか?」

ことり「えーと、それが……」


ことりは両手の人差し指を合わせて、俺の問いに困った顔をする。


智子「ほら、神爪くんが『百人斬り』やった話がもう学校全体に広がってるからさ。みんな少し怖がってるんだよ」

加奈子「昨日まではそんなに拡がってなかったんだけどね。多分杉並くんが拡げたんだと思うよ」


非公式新聞部か……


勇人「中々デキル奴だな、あの男は………」

加奈子&智子「「感心してるし………」」

ことり「アハハ………」



◆◆◆


勇人「あ」


という間に昼休み。
さて今日はどうするか。


勇人「……よく考えてみりゃあ、今日弁当持ってきてねぇな」


俺はいつも朝食のついでに作るからすっかり忘れていた。これからはセバスチャンにでも頼むか……?
いや、せっかくの学園生活。学校の昼食は学食か購買にするとしよう。


ことり「勇人くん、お昼どうするんですか?」

勇人「んー……今日は学食にでもするつもりだ」

ことり「私お弁当なんですけど、ご一緒していいですか?」

勇人「ま、別に構わねぇが……加奈子と智子はどうした?」


2人の姿が見えない。


ことり「さぁ……あはは」


ま、昨日の話をするには丁度いいか。


勇人「じゃ、行くぞ」

ことり「あ、はーい」


ことりは弁当箱が入っているであろう、ハンカチに繰るんだ弁当を持って勇人の後を追った。





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