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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第14話 枯れない桜





◆◆◆



《桜公園・枯れない桜》



深夜0時前。俺はレンを連れて桜公園の秘密の場、枯れない桜のある場所までやって来た。


草十郎「―――来おったか」


その枯れない桜の樹の前に、草十郎が既に来ていた。草十郎の回りには、普通の一般人の目には見えない存在が四つ程宙に浮いている。


勇人「……えらく久し振りだな。おフク、ほむら、みなせ、はやて」

おフク「まったくじゃ! おんどれ50年近くも顔見せに来んとはどーいうことじゃ!!」


まるで雛人形のような姿をした、天神通りの福の神――『おフク』


ほむら「やいやいやいやい!! 勇人テメェこの、たまには姿見せやがれトーヘンボク野郎ォ!!!!」


祭り事に着るような法被を身に付けている天神通りの火の神―――『ほむら』


勇人「だからこーやって顔見せに来たじゃねーか」

ほむら「どんだけ顔見せてねぇと思うんでぇ、このすっとこどっ―――」


―――ばしゃーーーー!!!!

ほむらの上から水が流れてきて、ほむらは頭から水を被る。


ほむら「――Σ冷てぇっ!?」

みなせ「頭冷やして話しなさいな、このすっとこどっこい」


天女のような姿をした天神通りの水の神―――『みなせ』


はやて「はやとぉー、久しぶりぃ〜♪」

勇人「おー、お久っ!」


妙に狐みたいな顔をした顔部分以外は煙みたいな形状をしている天神通りの風の神―――『はやて』


勇人「ハッハッハー。皆さん元気そうですねー、ヨカッタヨカッタ♪」

おフク&ほむら「「白々しい」」

みなせ「ですね」

はやて「♪」


懐かしき天神通りの八百万の神様の挨拶もそこそこに、俺達は早速仕事に移るとする。



◆◆◆


勇人「――…さて、始めるか」


両手をパンッと勢いよく合わせた。


草十郎「なんじゃ、錬金術でも使うのか?」

勇人「や、違げーから」


枯れない桜の樹の前で、更に柏手を打つ。


勇人「かけまくもかしこきかむやしろのおほまへをおがみたてまつりて、かけまくもかしこきまをさく、おほかみたちのひろきあつきおめぐみをかたじけなみたてまつり―――」


――――祝詞。


おフク「あ………」


澄んだ祝詞が夜気にほどけ…同時に、枯れない桜の樹を中心に発生していた淀みが和らいだ。
何もかも祓い清める、波紋の広がり。


みなせ「神道魔術の禊……ですか」

勇人「ああ。とりあえずコレで淀みが新たに発生することはないだろ」


淀みを発生させている枯れない桜の樹の問題を解決し、残る問題は今現在島に漂っている淀みの浄化だ。


勇人「こっからは別れて行動だ。俺は島の西側、草十郎達は東側の淀みを浄化してくれ」

草十郎「ホッホッホッ、勇人のお陰で早めに済みそうじゃな」

ほむら「楽してぇだけか? 草十郎何もしてねーじゃねぇか」

草十郎「年寄りは労るもんじゃぞ?」

勇人「年齢でいうなら俺や神であるコイツらの方が上なんだがな」



◆◆◆


《住宅街》


草十郎達と別れて、住宅街に足を運ぶ。それほど淀みが具現化したようなものは発生してはいないようで、軽く禊をかけるだけで事は済みそうである。

だが………


「きゃあああああぁぁっ!!!!」

勇人「ん!?」


突如女性の悲鳴が響き渡り、住宅街に谺する。
………どうやら具現化した淀みがあったようだな。

―――――ドンッ!!!!

俺は空へ大きく跳躍し、そのまま空を飛び悲鳴がした地点へ猛スピードで飛んで行く。
遥か上空から、1人の少女が何かから逃げているのを視認する。
その少女が逃げている相手は…
白い骸骨のような仮面をした大型生物だった。


勇人「…あれは虚《ホロウ》か?」


本来ホロウのような霊は、魔術師や死神みたいに霊力――魔力が強い者にしか視認出来ないはずだが、淀みによって普通の人間でも視認出来るほどに霊的濃度が上がったのか。


勇人「ま、俺のやることに変わりはないが」


人が襲われようが襲われなかろうが、それが淀みであるのなら……


勇人「滅するだけだ」


相手がホロウなら。
俺は霊力を具現化させて、一本の刀を作り出す。
その刀は『斬魄刀』
ホロウなどの霊を“昇華”“滅却”するための武器である。
その斬魄刀を右手に構えて、俺は空から地上へと堕ちる。


勇人「さぁ、裁きの時間だ」





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