MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第8.5話 勇人の噂
勇人が学園長室で、学園長と話している間。
学園長室の外……廊下で勇人が出てくるのを待っていた、ことりと暦の会話である。
◆◆◆
ことり「――…そういえばお姉ちゃん。勇人くんの噂って何なの? 職員室に入った時そんなこと言ってたけど……」
暦「あぁ、あの子の身分証明の書類の事でね。あの子どうにも『魔連』と関わりがあるみたいなんだよねー」
ことり「……『魔連』って確か魔法使いの集団、だったっけ?」
『総合魔法連盟』
通称『魔連』
地球の裏社会の魔法使いを統括する魔法組織団体。
神界・魔界の開門で地球にも超能力以外の、魔法や錬金術といった特別な技術が生まれた。
魔法というものは開門まで人界では空想上の存在でしかなかったが、人界・神界・魔界の3世界平和式典が行われていた頃に、その組織…魔連は全世界に公表した。
開門以前から、人界にも『魔法』は存在していると。
暦「――…だが魔連はその存在を公表しただけで、それがどういう組織なのか。昔から魔法が存在しているといっても、どれだけ魔法を使える人がいることとか肝心な事は何も公表しちゃあいない。ただその存在を公表しただけ」
ことり「人間界の学校にいる魔法使いは、みんな神界・魔界の技術から出てきた魔法使いなんだっけ?」
暦「ああ。だから教師連中……特に『国家資格』を持つ魔法使いや錬金術師はみんな噂してたのさ。魔連の関係者が来たことで、魔連がどういう組織なのか解るんじゃないかってな」
ことり「……でも勇人くんって、まだ中3だよ? 私と同い年なのに考えすぎじゃない………?」
暦「…………どーだろうねー」
ことり「………?」
暦「学園長からあの子の身分証明の書類とか色々観せられたんだけどね。どーにも腑に落ちないんだわ」
ことり「どーいうこと?」
暦「名前とか住所とかは書かれてあるんだけど過去の経歴とか、後何故か年齢が書かれている筈の欄も空白になってて妙だと思ったんだよ。あの子の事は名前とか以外は何も判らない、ただ魔連の関係者であることだけ。年齢もホントに中3の年なのかも怪しいもんだ」
ことり「…………」
暦「だからことり。関わるなとまでは言わないけど、あの子には気をつけな……」
ことり「う、うん………」
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