MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第348話 言っても無駄
◆◆◆
音夢「…………………はぁ」
話を聞き終えた音夢の最初に出た言葉は、溜め息だった。
昨夜起きたこと。
つまりは魔法犯罪者の襲撃と、芳乃さくら達の誘拐。
最近純一の様子が何処かオカシイことや、勇人達と何かをしていることにはなんとなく気づいていたが。
音夢「まぁ、魔法の訓練は授業でも役に立つでしょうからとやかく言いませんけど、ワザワザ危ないことに首を突っ込まなくても………兄さんは将来軍人か警察官にでもなるつもりなんですか?」
純一「そういう訳じゃないが………」
音夢「……………………」
なら、やめればいい。
と言いたいのだが、音夢はその言葉に意味がないのを察していた。
純一が何を考えて、こんなことをしているのか。
それはなんとなく察している。
そして、自分が何を言っても兄が考えを変えることはないということも。
音夢「…………仕方ないですね」
また溜め息を吐き出すと、音夢は踵を返して歩き出す。
純一「て、何処行くんだ?」
音夢「学校。兄さんの看病に来たけど、もう大丈夫そうなので」
純一「学校って……もう昼だぞ。ここまで来たら休めばいいだろ」
音夢「万年遅刻魔の兄さんと一緒にしないでください。風紀委員会の仕事もあるし、早々休めないよ」
純一「……………そうか」
1つ微笑を浮かべて、音夢は去っていった。
水を一飲みして、純一はふと思う。
純一「そういや、何で音夢がここにいたのか聞いてないな」
勇人「お前らが気絶してるのを見つけたのが、音夢だったからだ」
純一「うおっ!?」
ビクッとして、純一は振り返る。
いつの間にか、自分の後ろには神爪勇人が立っていた。
壁にもたれかけ、御茶を啜っている。
純一「お前、いつからいたんだ?」
勇人「お前が水を飲もうとしたところから」
純一「最初からかよ………」
だったら出てこいよと言いたいが、恐らく無駄なのだろう。
というより、自分が通っている学園にいる生徒の大半は似たようなものだ。
杉並とか杉並とか杉並とか………。
純一「それで? 音夢が見つけたのってのは?」
勇人「昨日の夜、気絶してたお前らを音夢が見付けて救急車を呼んでな。普通の病院に運ばれると、医者や警察に説明しなきゃならねぇ。で、面倒だから喜助が此方に連れてきたんだ。音夢もそのまま着いてきたんだよ」
純一「…………あー、そう」
その説明は、何でここに音夢がいるのか、は説明されたが、新たに、どうやって此処へ連れてきたのか?という疑問が出てきた。
だが、聞かない方が良いのだろう。
どうせまともな手段じゃないのだから。
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