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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第341話 敗北から立ち上がり





◆◆◆


恭介「……………!?」


ガバッと、布団を押して上体を起こす恭介。
直ぐ様、今の自分の状態を確認する。
そして思い出す。
何故自分がこんなところで寝ていたのかを。


勇人「おー、お前が一番先に起きたか」

恭介「………勇人」


恭介が視線を向けた先には、壁際で胡座を掻きながら、湯呑みで茶を啜ってる勇人がいた。
だがその姿は、所々身体の到るところに包帯やらガーゼやらが巻かれており、かなり痛々しい。
まぁ、それは自分も大差ないのだが。


恭介「そうだ、皆は………!?」

勇人「全員ちゃんと生きてるって。無事ではないが、命に別状はない」

恭介「…………そうか」


その言葉を聴いて、恭介は安堵の息を吐いた。
皆怪我を負ってはいるが、生きているのだ。
よく敵にとどめを刺されなかったものだ。
とるに足らない相手、ということなのだろうが。


勇人「それで、誰にやられたんだ? お前らには楓の家に向かったはずだろ?」

恭介「ああ」


昨日のことを思い返しながら、恭介は語る。
芙蓉家へ向かう途中で、朝倉純一と芳乃さくらに出会し、そこで襲撃にあったのだと。
その襲撃者は七大罪の一角。
リトルバスターズも勇人の訓練を受けて強くなったとはいえ、それでも一般人よりは、という程度のレベルだ。
さすがに相手が悪すぎる。
倒されたとしても、誰もそれを責めはしない。
勇人も、今の状況を説明する。
敗北したこと、高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、芳乃さくら、プリムラの四人が誘拐されたことなどを。
一頻り説明をし終えた勇人は、


勇人「………ま、なんつーかよ、悪かったな」

恭介「? なんのことだ?」

勇人「やっぱ、お前らに此方の世界の出来事に関わらせるべきじゃなかった。今回はたまたま敵がお前らに興味がなかったから助かったが、普通は有り得ねーよ。敵と戦ったら、情けをかけられない限りは、負けたら殺されるのが常だ」

恭介「なんだよ、そんなことか」

勇人「そんなことって、お前なぁ………」


割りと珍しく真面目な話をしていただけに、軽く流されて少しばかり沈む勇人。
そんな珍しい様を視て、苦笑しつつ恭介は続ける。


恭介「元々俺達の方から頼み込んだんだ。お前がそこまで気にする必要はない」

勇人「………………」

恭介「確かに俺達は死にかけた。だが、今こうして生きてる以上、まだ俺達は負けたわけじゃない。強くなって、次勝てばいい」

勇人「……………………」

恭介「それに」

勇人「…………それに?」

恭介「敗北から立ち上がり、より強くなって敵を倒す。正義の味方の王道じゃないか! 今回の敗北は、俺達のためにあるようなもんだぜ!!」

勇人「最後の方意味わかんねーよ」


無駄にいい笑顔で言った恭介に対して、呆れた声でつっこむ勇人。
相も変わらずの友人の反応に、さすがに笑ってしまう。


恭介「皆同じ気持ちのハズだ」

勇人「……………皆?」


まさかと思い、皆が寝ているはずの布団を凝視する。
すると、もぞりと布団の一部が動いた。


勇人「お前ら………」


全員かどうかは知らないが、どうやら大半のメンバーは起きていたようで、今の会話を聴いていたようだ。


勇人「狸寝入りかよ、メンドクセェ」


徐に立ち上がった勇人は、空の湯呑みを持って部屋の襖を開けた。


恭介「どこいくんだ?」

勇人「喜助……ここの家主呼んでくる。起きたんなら、俺が戻るまでに状況の説明しとけよ」


溜め息を吐きながら部屋を出て、勇人は部屋から出ていった。





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