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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第340話 目覚め





◆◆◆


《浦原商店‐客間‐》


勇人「…………知らない天井だ」


桜公園で意識を失い、目が覚めた勇人の第一声がそれだった。


喜助「おや、予想より随分早いお目覚めっすね。さすが勇人さん、グチャミソに潰されてもボケる元気はあるようで♪」

勇人「………目覚めたとたんお前の顔とかマジ勘弁」

喜助「酷い言いようっすね………」


むくりと上体を起こして、自分の状態を確認する。
ここは浦原商店。
初音島を出て、本島である冬木市と近場にある海鳴市の間にある、空座町という町にある雑貨屋。
どうやら勇人は、この古い付き合いである浦原喜助に治療されたようだ。


勇人「……あれからどのくらい経った?」

喜助「半日ってとこです。他の皆さんはまだ眠ったままですよ」

勇人「………他の皆?」


周りを観ると、勇人と同じように布団に寝させられている者達がいる。
それは、勇人がよく知る面々。
リトルバスターズ、朝倉純一。
皆、傷を負っており、布団で隠れていない顔部分だけでも、傷の手当てを受けた跡がある。
喜助が治したのだ。


喜助「土見稟さんや芙蓉楓さんは、両陛下が治療なされました。八神はやてさん達管理局員も、上司の方に収容されたみたいっす。あらかたの報告は、私の方からしておきましたよ」

勇人「…………そうか」

喜助「………随分、手酷くやられましたねぇ」

勇人「相手が相手だからな。ま、このままでいる気はないが」

喜助「相変わらずっすね」


昔と変わらずの勇人のスタンスに、喜助は苦笑しつつ踵を返す。


喜助「ま、勇人さんの御付きの方にも説明しておきましたんで、ゆっくり休んでいってください」


部屋の襖を開けて、喜助は退室した。


勇人「…………8月20日か」


意識を失う直前、プライドが言っていた言葉。
あの言葉が本当なら、その日までは連れ去られたフェイト達は生きてるということになる。
そして勇人は、プライドのその言葉を疑ってはいない。
無論、信頼や信用をしているわけではない。
だが、プライドという男の性格はよく知っている。
七大罪の組織の計画にフェイト達を使わなければならないが、別にそれはプライドにとっては大して関心は無い。
七大罪にいるのは、プライド個人の目的のため。
その目的を果たすため、義理で協力しているに過ぎない。
あの男は昔からそうだった。
今回はたんに仕事にそこまでやる気がなく、かつ勇人との戦いに執着を持っているだけに過ぎない。
女が男に拐われたかといって、別にフェイト達の貞操を気にする必要も、おそらくない。
そもそも勇人からしてみれば、プライドに性欲というものがあるかどうかすら疑問である。


勇人「ま、何にせよ、それまでにどうするかだな」



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