[携帯モード] [URL送信]

MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第301話 ギ・ブリーの正体



ララ「ギ・ブリーの正体!?」

ペケ「おや、これはバルケ星人じゃないですか!」

勇人「バルケ星人?」

ペケ「優れた擬態能力を持つ代わりに、肉体的には極めてひ弱な種族ですぞ」


ペケの解説に、ララは「へー」と、あまり興味無さげに相槌を打つ。
……つーか、ハッタリだったのかよ。
朝倉涼子との一件があったせいで警戒し過ぎたか?


勇人「……で、コイツどうすんだ?」


宇宙人なんかを警察や軍に引き渡したら面倒なことになるし、かといって始末するのも面倒だ。


ララ「うーん……これに流して地球外へ追放しちゃおう!」


言って、ララは端末機を操作して『じゃーじゃーワープ君!!』という、便器のような機械を出現させる。


ララ「もう二度と来ないでね、ギ・ブリー!!」


「えいっ」と、ララはじゃーじゃーワープ君とやらにギ・ブリーを放り込み、ギ・ブリーはトイレよろしく渦を描く水流の奥へと流されていった。
なんつーメカだ………。


勇人(しかし、ララの婚約者候補ってのがアレとはな……全員がギ・ブリーのような奴なのかどうかは知らんが、少なくともまともな奴だけじゃないのがいるのは確かか………)


まぁ、権力者の親を持つ子の許嫁候補ってのにはよくある話だが、ララも結構苦労しているようだ。


勇人「……と、いい加減西連寺を降ろしてやんないとな」


触手に絡まれるっていうやたらとエロい絵面でまだ眺めていたい気がしなくもないが、まぁさっさと降ろしてやるとしよう。


◆◆◆


《鳳凰学園‐保健室‐》


触手から解放した西連寺春菜と、鼻血を噴き出した結城リトを保健室に連れていき、ベッドに寝かしつけた。


リト「……ぅ………あ?」

勇人「よ、お目覚め?」


先にリトが起きた。
まぁ、鼻血噴き出して倒れただけだからな、コイツ。


リト「あれ、俺……………そうだ! 春菜ちゃんは!?」


何があったのか思い出して、ベッドから起き上がり勇人に詰め寄る。
そんなリトに勇人は「横見ろ横」と、リトが座っているベッドの横を見る。
隣のベッドで西連寺が寝ているのだ。
無事であることを確認して、ホッと息を吐く。


リト「無事でよかった……けど、アイツ何だったんだ? 宇宙人がどうとかって………」

勇人「………ま、気にすんな。西連寺は無事なんだし、アイツはもう二度と来ねぇよ」


説明すんのも面倒だしな。



春菜「…ぅ……んん……」

ララ「あ、目が覚めた? 春菜」

春菜「……ララさん?」

リト「大丈夫か? 西連寺……」

春菜「結城くん!?」


ガバッ!と勢いよく西連寺は起きた。
てゆーか、結城リトの西連寺の呼び方がコロコロと変わるのは………


勇人(青春だねぇ)


青い春だな。


春菜「私、どうして………」

リト「えーと………」


まさか宇宙人に襲われてました、なんて常識を疑うようなアホなことは言えず、言い淀むリト。


勇人「西連寺がテニス部の部室近くで貧血で倒れていたのを、結城が運んでな。俺らは偶々居合わせただけだ」

リト「お、おい……!?」


何を言うんだ!?とリトは勇人を困惑の目で視るが、本当のことを話す気が無い勇人は何処吹く風とばかりに明後日の方向に向けて口笛を吹くだけだった。


春菜「結城くんが……?」

リト「お、おう?」


もう何か嘘だと言えないような空気になってしまい、辿々しく頷くリト。
そして何となく二人の間に甘い空気が流れたのを察して、


勇人「そんじゃあ、ま、後は若い二人に任せるとして、俺らは帰るぜ。行くぞ、ララ」

ララ「あ、うん」


特にそんな空気を察してる訳ではないが、保健室を出る勇人に続いて、ララも保健室を出た。
その去り際、勇人は結城リトに「がんばれよー」と、本人しか聴こえないような小声でエールを送った。


リト「あ、あの!!」

春菜「えっ?」

リト「お…おれ、俺…俺……」


チャンスは今とばかりに、結城リトは決起した。


リト「初めて見たときから、君の事が……!!」


ピシャンと、小さく扉を閉めて、勇人とララは保健室を後にした。
あの二人の今後については、まぁ、語らなくても良いだろう。



.

[*前へ][次へ#]

6/44ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!