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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第299話 鬼畜と悪人



◆◆◆


《鳳凰学園‐屋上‐》


ララ「むー…勇人、何処に行ったのかなぁ」


学園の屋上に設置されている転落防止のフェンスの上に乗ったララは、視線を動かして目的の人物を捜している。
だが、その人物は見つからない。
それもそのはず。
何故なら、今勇人は女子テニス部部室という建物の中にいるのだ。
無駄に広いこの学園で、ただ一人の人物を捜し出すのは大変困難である。


ペケ「ララ様、さすがにこの広い敷地にいる彼を捜すのは難しいのでは? 生徒会室とやらにも居ませんでしたし……」

ララ「むー…一緒に帰ろうと思ったのに……あ、そうだ!」


スカートのポケットから取り出した端末機を操作して、


ララ「くんくんトレース君!」


一体の機械仕掛けの犬が、突如現れた。
空間を跳んできたのだ。


ララ「いい? この匂いの人を探すんだよ♪」


そしてララは、何処からともなく一枚の黒い布を取り出した。
………勇人のトランクスである。


ペケ「ら、ララ様! そんな汚らわしい物を!?」


ペケのそんな叫びを無視して、犬は勇人のトランクスの匂いを嗅いで、


犬「こっちダスー!」


と、屋上の扉を抜けて階段を駆けていった。



◆◆◆


《鳳凰学園‐女子テニス部部室‐》


ギ・ブリー「さぁ、どーするんだ? 神爪勇人。俺は気が短いんだぜぇ……」

勇人「…………(こいつが許嫁候補の一人か)」


最近ホント宇宙人の相手が増えたよなぁと、若干遠い目をする勇人。
このギ・ブリーとやらがどれほどのものか知らないが、もし朝倉涼子みたいな能力を使ってきたら、少し面倒だ。


勇人(人質いるし……さて、どうするか)


あれこれと思案していると、ギ・ブリーが徐にライター程度の大きさの何かを取りだし、それに付いているスイッチらしきものを押した。

すると、ビリイィィッ!!と、西連寺春菜の着ている体操服が真っ二つに引き裂かれた。


リト「!?!? は、春菜ちゃんの白いむ、む、胸が………(ブシャアアァァァッ!!)」

勇人「……興奮して鼻血噴き出してる場合か?」

ギ・ブリー「キヒヒ…お次はもっと大変なことになるぜぇ。さぁ言え! ララから手を引くと!!」


鼻血を噴き出して倒れたリトなど眼中になく、ゲスな笑みを浮かべるギ・ブリー。
そんなギ・ブリーに対して勇人は、


勇人「ふむ。じゃあギリギリまでやってみようか!」

ギ・ブリー「…………………え?」

勇人「いやだから、もっとヤレーって言ってんの。次は下着もひん剥いて触手攻めでいってみようか!」

ギ・ブリー「は!? いや、何言ってんだ! 普通ここは怒るか、ビビって要求呑むかだろ!! 何でテメェがヤル気になってんだよ! 何人質の女脱がそうとしてんだよ!?」

勇人「美少女が触手攻めにあって悶え喘ぐ姿……エロくていいと思います!」

ギ・ブリー「鬼畜か!? この野郎俺以上にゲスじゃねぇか最低野郎じゃねーか!?!」


失敬な。
男として正常…いや、性常じゃねーか。


勇人「つーかお前、人質取ってまでララと結婚したいのか? 愛されてるねぇ、アイツ」


熱烈過ぎてドン引きだがな。


ギ・ブリー「キヒヒヒヒ。愛されてるだぁ? 何か勘違いしてねーか? ララは俺と結婚するんだよ、俺がそう決めたんだ。ララは性格こそまだガキだが、最高に俺好みの人型だ。その上ララと結婚すれば、デビルーク王の支配する銀河は全てこの俺のものになると来た。こんなチャンス見逃す手はねーだろ。まぁ、性格だって俺好みに教育すればいいしなぁ!!」

勇人「ララも西連寺も、自分の都合の言いように使う道具ってことか?」

ギ・ブリー「ハハ! そんな言い方されたら俺が悪人みてぇじゃねーか!」

勇人「悪人だろ? 見た目もやることもな。ま、俺が人のこととやかく言える事じゃねーが。けど、イイねぇお前」

ギ・ブリー「あ?」


何言ってんだ?と訝しげに勇人を見据えるギ・ブリー。
勇人は不敵な笑みを浮かべて、


勇人「テメェみてーなクソヤローは、殺すのに何の躊躇もねーからよ、俺」



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