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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第285話 朝倉 涼子



◆◆◆


《鳳凰学園‐下駄箱前‐》


そして翌日の朝。
生徒会業務で片付けなければならない書類があるので、普段よりも早めに登校した勇人だが、今日は何かが起こるような、そんな嫌な予感がした。
何故なら、自分の下駄箱に入っていないものが入っていたからだ。
それは、ノートの切れ端。
そしてそこには、


『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室に来て』


と、明らかな女の字で書いてあった。
普通に見れば、まぁ、ラブレターの類いだろう。
だが、神爪勇人はこのラブレターが下駄箱に入っていることの意味が理解出来ない。
別にラブレターというのがどういうものか分からない、という意味ではない。
神爪勇人という男は、その容姿故か初対面の女子には、まぁ、モテる。
容姿端麗・頭脳明晰・運動神経抜群の生徒会会長と、まぁ、プロフィールを書いていけば相当にハイスペックである。
だが、実際この学園で女子にウッハウハのモッテモテかと問われれば、実はそうでもない。
勇人自身の周りに"美"の付く少女は多いが、そのぶっ飛んだりヤル気が無かったりテキトーだったりな性格が故に、多少敬遠されていたりすることもある。
この鳳凰学園で学校生活を送っていれば、嫌でも勇人の話は耳に付く。
故に、今勇人の身の回りにいるのは、昔からの古い付き合いだったり、何かしらの事情がある子だったりが大体だ。
そして今、そんな少女達からラブレターなどというものを下駄箱に入れられる覚えが一切ない。
本来なら様子が少しおかしかっただとか、思うところがあったとか、踏ん切りがついただとか、まぁ何かしらの前触れがあるだろう。
だが、ここ最近でそんなイベントが起こった記憶はない。
可能性があるとすれば、


勇人「………SOS団関係か?」


聖杯戦争関係という線も無くはないのかもしれないが、その割りには文章がアッサリとし過ぎている。
誰が書いたものなのか、名前すら書いていないのだ。


勇人「ま、なんにせよ。面倒な予感しかしねぇな」


経験則から来る直感が、そう感じていた。


◆◆◆


《鳳凰学園高等部‐一年五組‐》


誰が現れても驚くことはなかっただろう。
実際驚くことは無かった。


「初めまして、神爪勇人くん」


清潔そうな真っ直ぐな髪を揺らして、少女は勇人に笑いかけた。


勇人「で、誰だお前は?」

「朝倉涼子。このクラスの委員長」


くったくなく笑う涼子を見て、勇人は「……ああ」と思い出す。
生徒会業務で顔を合わせたことくらいはあったと思う。
見覚えはあるのだ。


勇人「で? 朝倉涼子とやら、俺に何のようだ?」


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あきゅろす。
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