MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第284話 朝比奈 みくる
◆◆◆
《神爪家‐勇人の部屋‐》
翌朝、ベッドの上で目を覚ます。
瞬間、深い溜め息を吐いた。
………ララが何故か全裸で勇人のすぐ側で、同じベッドで寝ていた。
寝るときは全裸派かコイツ。
ララ「………ん……ぅ………」
そしてララも目を覚ます。
ララと一緒にいたのか、ペケもララと一緒に寝ていたようだ。
ララはムクリと起き上がり、
ララ「あ…勇人、おはよ♪」
と、呑気に朝の挨拶をしてきた。
今更だが、男の前で全裸でいることの羞恥心の類いは無いらしい。
初対面が全裸だったから、もうホント今更だが。
勇人「おはよ、じゃねーよ。何で俺のベッドに潜り込んでんだ? しかも全裸で」
ララ「えー、だって勇人と一緒に寝たかったしー」
ペケ「いつもララ様のコスチュームでいるのは大変なのです!」
勇人「普通に服着れ」
そこまで言って、ふと思う。
そういえば、コイツら地球の金なんて持ってねーんじゃねぇか?
昨日の一件で、ララは正式にこの家に住むことが決まった。
だったら、服くらいは買ってやらねーとなぁ。
なんてことをぼんやりと考えていると、
――――ガチャッと、部屋の扉が開かれた。
頼子「あの、勇人さん……朝ごはん出来ましたけど…………」
最近しっかりと朝早くに起床し、朝食も作れるようになった頼子がやって来て、目があった。
勇人を見て、ペケを見て、そして勇人と同じベッドに入っている全裸のララを見て、
頼子「ふえぇぇぇぇっ!? あ、あ、あのっ?!? ふえぇぇぇぇっ!?!」////
勇人「落ち着けよ………」
顔を真っ赤にして取り乱す頼子を、取りあえず落ち着かせようと声をかけるが。
希「にゃあ…頼子……どうしたの……?」
頼子の騒ぎ声を聞いたのか、何人もがこの部屋にやって来た。
香澄「……何やってんよ、あんたは」
C.C.「ほう、朝からお盛んだな」
キャスター「……………………ハァ」
と、この家の住人達から奇異な視線を向けられる。
それに対して勇人は、目覚めよりも深い溜め息を洩らし、
勇人「素敵な朝だなオイ………」
めんどくさ気にそう吐き捨てた。
◆◆◆
《鳳凰学園‐文芸部室‐》
放課後。
授業を終え、SOS団の部室とやらの文芸部室にやって来たのだが………
―――――何故か朝比奈が下着姿で立っていた。
みくる「…………」
朝比奈みくるはフリフリのエプロンドレスを手に持って、ドアノブを握ったまま佇む神爪勇人をビックリした猫のように丸い目で見つめて、ゆっくりと口を悲鳴の形に開いていく。
勇人「失礼」
バタンと、悲鳴をあげる前にドアを閉める。
閉めた後も、悲鳴が聞こえることはなかった。
しばらくしてから、内側から控えめなノックの音と、みくるの「……どうぞ」と控えめな声が聞こえた。
勇人「悪いな」
みくる「いえ……」
顔を出せるうちに出しておこうかとやって来たのだが、どうやら早々ハプニングだった。
部室を見回してみるが、どうやらいるのは自称宇宙人と自称未来人の二人だけのようだ。
と思ったら、更に一人、部室のドアを開けて入ってきた。
入ってきたのは、あの騒がしいSOS団団長や自称超能力者ではなく、見慣れない男だった。
とくに特徴らしい特徴のない男だ。
その男と目があった瞬間、その男は何故か疲れた顔をした。
そして徐に、
「何だよ、お前も俺に何か話があるのか?」
なんて言った。
その発言の意味が分からず、首を傾げる勇人だが、
「宇宙人、未来人、超能力者の次は何だ? 異世界人か? 魔法使いですとか言うつもりか?」
………その言葉で何となく理解出来た。
あの自称宇宙人未来人超能力者に正体を明かされたのだろう。
おそらくこの男は一般人だと思われる。
勇人も、そういう類いの何かだと思ったのだ。
…………そしてその予想は、概ね当たっている。
みくる「あ、あのですねっ………」
勇人がさてどう答えようかと考えていたら、みくるが説明してくれた。
勇人のこと、そしてこの男……キョンという愛称のみで正式名称不明の男のことである。
どうやらこのキョンという男は、一般人ではあるが勇人同様巻き込まれ体質らしい。
涼宮ハルヒに巻き込まれてここにいるそうだ。
勇人が同情的な視線をキョンに向けると、キョンも同じような視線を勇人に向けていた。
………これ以上は止めよう、情けなくなる。
そしてまた暫くしたら、今度は古泉一樹がやって来た。
軽く挨拶をしてしばらくこの文芸部室で、みくるからお茶を貰い、有希と雑談とは言えない雑談を交わし、キョンと古泉と一緒にボードゲームに興じていたのだが。
結局今日、涼宮ハルヒは部室に姿を現さなかった。
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