MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第283話 決着の後
◆◆◆
ザスティン「………負けたよ、地球人」
フッ…と、敗北したにも関わらず、ザスティンは実に清々しい顔をしていた。
ザスティン「正直侮っていたよ、君達地球人を」
恭介「中々いい勝負だったな……また戦ろうぜ!」
ガシッ!と、二人は熱く握手を交わす。
拳や剣や魔法で語り合い、地球人と宇宙人が通じあった瞬間だ。
勝負そのものはリトルバスターズの勝ちであったが、それでも1VS11。
数で勝ったともいえるが、それは向こうも了承したこと。
別に卑怯などとのたまわる事もない。
だが、次は是非とも1対1でやってみたいものだ。
お互いにそう感じ、いい感じに友情が芽生えたかのような雰囲気があったのだが、
勇人「よーし、コッチが勝ったから、ララの件は約束通り諦めてもらうぜ」
よっこらせとベンチから立ち上がった勇人がノロノロと歩み寄りながら、ザスティンに対してそう言ったことにより、その雰囲気はアッサリとぶち壊された。
なんとも言えない微妙な空気が場を支配する。
勇人「つーか、ザスティンよぉ……」
グビッと、缶に入ってるコーラの残りを飲み干して、ヒュッと無造作に投げ棄てる。
カランと音を発てて、綺麗にゴミ箱へ入れた。
勇人「デビルーク星の後継者だとか、お前を倒して実力を示すとか、どーでもいいんだよ、んな事ぁ……王の命に従うのがお前の役目なんだろうが、だからといってララの気持ちを無視して言い訳ねーだろ?」
ザスティン「…………………」
勇人「自由に……いや、普通に生活くれーさせてやれや。好きでもねーやつと結婚とかやってもよぉ、お互い不幸にしかならねーんだぜ?」
ザスティン「!!」
キリッと、無駄に良い顔でそう言う勇人に、ザスティンは何か感銘を受けたような顔をする。
だが彼等は分かっていた。
付き合いの長い理樹達だけは知っていた。
理樹「なんか、良い感じの台詞を言って乗り切ろうとしてるよね?」
恭介「ああ。まとめに入った感じだな、話を締めようとしてるんだろ」
一応の気遣いとして、ザスティンには聴こえないようにヒソヒソと話す理樹達。
ザスティン「デビルーク王の命に従うのが私の役目…それゆえ私はララ様の気持ちも知らず……いや、知りつつも考えないようにしてきたのだ。それを指摘されては……私の敗けだ」
バサッと、マントを翻し、踵を返す。
ザスティン「宇宙に数多くいるララ様の許嫁候補どもが納得するかわからぬが、デビルーク王には私から報告しておこう。お前なら任せられる、と!!」
どう考えてもめんどくさがった勇人が適当に言った言葉に、
ザスティン「ララ様のお気持ちを真に理解できる、お前なら……!!」
フッ…と、無駄に爽やかな顔を浮かべて、ザスティンは去っていった。
勇人「うむ」
去っていったザスティンを見届けた後に、勇人はコクりと頷き、
勇人「これにて一件落着!」
恭介「落着じゃねーよ」
締めに入ろうとした勇人の言葉に、恭介は突っ込みを入れた。
恭介だけでなく、ララ以外は皆同じ気持ちだ。
真人「俺達に面倒ごと押し付けやがって……」
謙吾「全くだ」
勇人「別にいいだろ、良い修行になったんだし、お前らだってなんだかんだ言って楽しげだったろーが」
唯湖「まぁ、そこは否定しない」
まぁ、なんにせよ、これでミッションコンプリート。
リトルバスターズの戦力も改めて確認出来たし、これくらい戦えるのなら、島の警護には問題ないだろう。
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