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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第282話 訓練で得た力



ザスティン「はあぁぁぁっ!!」


ビームソードと思われる剣で、一ヶ所に固まっているリトルバスターズを纏めて斬り払いにかかるザスティン。
横に薙ぎ払われる剣を、皆は各々跳んで避け、散るようにザスティンから距離をとって離れる。


真人「俺からいくぜぇっ!!」


一番乗りは譲れんとばかりに、真人が駆け出した。
続くように、謙吾と唯湖も走り出す。


真人「喰らいやがれ! 三連釘パンチ!!」


拳を唸らせ、ザスティン目掛けて勢いよく振り抜く。
だが、その勢いよく放たれた拳は空を切り、真人の攻撃は空振りに終わってしまう。
ザスティンが真人の動きを読んで、後ろへ跳んだためだ。
そのザスティンの回避コースを読んでいたのか、謙吾がザスティンの着地地点で待ち構えていた。


ザスティン「!?」

謙吾「飛天御剣流! 龍尾閃!!」


着地する手前という酷く体のバランスが取りづらいタイミングを見計らって、謙吾の刀がザスティンの胴を薙ぐ。


ザスティン「筋は良いが、甘いな」


だが、ザスティンは剣を持つ腕を背に回し、背後から攻撃を仕掛けてくる謙吾の斬撃を剣で防いだ。


唯湖「中々器用に防ぐ」


謙吾の攻撃を防いでザスティンの動きが止まった直後、唯湖はその隙を見逃さず、高く跳躍してザスティンへ攻撃を仕掛ける。


唯湖「神鳴流奥義! 斬鉄閃!!」


重力に従って落下し、自分の体重を斬撃に乗せてザスティンに斬りかかった。
ザスティンの剣は謙吾の刀で塞いでおり、身体も動かせない。
唯湖の一撃を防ぐすべ無しのように見えたが、


ザスティン「はあぁっ!!」


ザスティンは気合いの入れた声を発し、強引に謙吾の刀を剣で弾き飛ばした。
直ぐ様、謙吾の腹部に蹴りを入れて吹き飛ばし、剣で唯湖の斬撃をガードする。


唯湖「ほう……」

ザスティン「まさか、地球人がここまでやるとはな」


互いにニヤリ、と笑みを浮かべる。
強者は強者を知るといったところか、相手の実力の高さを知り、気が昂ってくる。


恭介「今だ!」


だが、態々一対一で戦うつもりは彼らには無く、足を止めてる今がチャンスとばかりに、一斉に攻撃を仕掛ける。


恭介「理樹、鈴、三枝は俺と一緒に突っ込め! 神北、西園、能美、古式は援護しろ!」


恭介の声に頷き、皆は一斉に動き出した。
恭介が駆け出すのと同時に理樹達も駆け出し、その後ろから、美魚達が魔法で援護するために呪文を詠唱し始める。


小毬「炸裂する力よ…エナジーブラスト~!」

美魚「歪められし扉、今開かれん…ネガティブゲイト!」

クド「きょうらんせしちれいのうたげよ…ろっくぶれいく!」

古式「荒れ狂う流れよ…スプラッシュ!」


小毬達が詠唱した魔法を撃ち放つ。
ザスティンはそれらを剣で薙ぎ払いつつ、突っ込んでくる恭介達を見据えていた。
直ぐには態勢を戻せないが、地球人である彼等程度のスピードなら、容易に迎撃出来るだろう。


恭介「三枝!」


だが、その油断が大敵となる。
ザスティンの目の前へと迫った葉留佳は、両の手で印を結ぶ。
―――――――忍術
それが勇人に習った、葉留佳の力である。
葉留佳が印を結んだ瞬間、ドロンと、彼女の体は煙に包まれ姿が隠れた。
目眩ましか?とザスティンは考えたが、その煙は直ぐに晴れていく。
煙に包まれた葉留佳の姿が露になり、その煙の中から、


「うっふーん☆」


―――現れたのは、葉留佳ではなく黒髪の少女だった。
しかも何故か全裸。
妙に体をくねらせ、女である自分の肢体を見せつけるように、ひどく卑猥なポーズをとっている。
だが、その見知らぬ全裸の黒髪少女は、何処か見覚えがあるような気がする。


勇人「あれ、女装した理樹に似てね?」

理樹「何で僕に変化するのさ! しかも何で女の子に!?」

唯湖「…………!?(ぶしゃあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!)」(バタッ!!)

美魚「…………!?(ぶしゃあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!)」(バタッ!!)

小毬「ひゃああぁぁぁっ!? ゆいちゃん美魚ちゃん血がっ、鼻血が凄いよぉっ!?」


まるで噴水のように鼻血を吹き出し、勢いよく地に倒れる。
倒れたその場で、二人は血の海に沈む。
だがその顔に苦の色はなく、むしろ幸せそうに気絶していた。


葉留佳「ふっふーん。これがはるちん流変化の術。名付けて、お色気の術!!」


ドロンと、再び体が煙に包まれた後に、葉留佳の姿はもとに戻っていた。
上手く出来たからか、その顔は得意気である。


ザスティン「くっ、地球人め。小癪な真似を……!!」(ボタボタボタッ………!)

勇人「お前、鼻血垂らしまくりながらそんな台詞吐いてもダセェだけだぞ?」


思いの外効果は抜群のようだった。
生真面目剣士はエロネタに弱い、というのはどこの星でも同じようだ。
貧血となったのか、フラついてきたのをチャンスとばかりに、ザスティンにトドメを刺しにかかる。
理樹は葉留佳の変化に未だに立ち直れずにいたので、恭介は鈴と二人がかりで仕掛ける。


鈴「フカーッ!」


ガッ!と、鈴はザスティンがその手に握っている剣の柄を思いっきり蹴りあげた。
蹴りあげたことで、ザスティンの剣は宙へクルクルと回転しながら飛んでいき、茂みの向こうへ落ちていった。
これでザスティンは無防備。
そして、我らがリトルバスターズの司令塔が極めにかかる。


恭介「いっけえぇぇぇぇっ! サイフラアァァァァッシュ!!」


恭介の体を中心に、風が竜巻のように吹き荒れる。
風と風が交差し重なりあい、摩擦熱によってバチバチとプラズマが発生した。
竜巻による強風とプラズマが、轟ッ!!と凄まじい音を発てながら、ザスティンに襲い掛かった。



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