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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第278話 入団決定!




勇人「………調査、ねぇ」


古泉一樹は頷いた。
さっきからニコニコと笑みを絶やさないため、嘘を吐いているかどうか分かりづらいが、少なくとも後ろの二人は嘘を吐いているようには見えない。
とはいえ、それだけで信じられるかどうかというのは別の話だ。


一樹「やはり、まだ信じていただけていないようですね……」

勇人「その話を信じる情報がないからな。ま、否定する情報もないから、半信半疑だがな。じゃあお前は、アーサー王が女だと聞いたら信じられるか?」

一樹「ははは、流石にそれは信じられませんねぇ。アーサー王の伝説は有名です。アレだけの事を女性が成せるとは思えません」

勇人「だろうな。ま、俺も初めは信じられんかったが。だが、確たるモノを見てそれを信じた」

一樹「なるほど。証拠を見せろ、と?」

勇人「そういう事だ。超能力者なら能力を。未来人なら未来の情報を。宇宙人なら異星の技術でも見せてもらえれば信じられる」


そう言われ、古泉は少し困った感じに笑みを崩す。


一樹「証明したいのは山々ですが、生憎僕の超能力はある条件下でないと使用できないんですよ。その条件が整わない限り、僕は普通の人間です。学園都市の超能力とは別物ですから」

勇人「やっぱ学園都市の超能力者じゃなかったんだな……他の二人は?」

みくる「すみません、私の時代の事は話せないんです。そういった能力というものも持っていません……」

勇人「…………お前は?」


説明以外で口を開かない少女に顔を向けた。
相変わらずのクールフェイス。
無機質な瞳が勇人を捉える。
自分が最後の砦だと自覚はあるのだろうか。


勇人「……………」

長門「……………」

勇人「………………………」

長門「長門 有希」


長門が名乗って気がついたが、彼女から自己紹介を受けていなかった。
その後に続く、宇宙人という事への証拠を少し心待ちにしていたのだが、


有希「……………」

勇人「……………オイ」


自己紹介で終了。
再び寡黙モードに入ってしまった有希から言葉が発せられる事はなく、結局、彼らの言う事を証明するものは何一つ出てこなかった。
みくるに眼を向けると少し申し訳なさそうに俯き、古泉に視線を移せば笑みを浮かべて肩をすくめるだけで何も話さない。
……………これで何を信じろというのだろうか。


勇人「…………はぁ」

みくる「で、でも本当なんです! お願いですから信じて下さいっ!!」


それなら証拠を…と言いそうになったが、それが出せないから必死なのだろう。
さてどうしたものかと悩みながら、腕を組みつつ溜め息を吐いた。


勇人「聞くが、俺の事情は考慮すんだな?」

一樹「はい。その点はご心配なく。そこにいらっしゃる長門さんも、本来は文芸部員です。他の部に入っていても、定期的に顔を出してもらえれば問題はないかと」

勇人「ふむ」


なら問題はないだろう。
本気で嫌な予感しかしてこない団だが、確かめるだけならそこまで苦でもないだろう。


勇人「言っとくが、お前らが嘘吐いていると分かったら早々に辞めるぞ。そこまで暇じゃないからな」


この巻き込まれ体質のせいで。


みくる「そ、それじゃあ………!」

勇人「ああ、明日からな。今日はもう予定が決まってるから」

みくる「よ、良かったです………」


ホッと胸を撫で下ろすみくる。
古泉もどこか安心したような顔に見えた。
長門は相変わらずだが、何だ、よほど入団しないと困ることでもあるのだろうか。


――――キーンコーンカーンコーン……


一樹「丁度授業が終わったところですね。それでは僕たちはこれで。お時間を取らせてすみません」


謀ったようなタイミングで鳴り響く授業終了のチャイムを合図に、屋上から出ていく古泉たち。
それを見送り、俺も行くか、と屋上を去ろうとする。


有希「気を付けて」

勇人「は?」

有希「私のような存在は一人だけではない。そのいずれかが、貴方に危害を加える可能性がある」

勇人「………ふーん。ま、忠告だけは受け取っとくぜ」


メンドクサくはあるが、ヒューマノイド・インターフェースとやらの戦闘に多少の興味を抱きながら、今度こそ屋上から出て行く。


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