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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第262話 ストーキング開始!





身長の大きい三人が、理樹の前で壁になる。


クド「あっ、これはこれは皆さんお揃いで」


恭介らを見つけ屈託のない笑顔を浮かべて走りよってくるクドリャフカ。


真人「よ、ようクー公」

唯湖「今日も可愛らしいな、クドリャフカ君」

美魚「こんにちは、能美さん」

鈴「……………(チリン」

恭介「能美、今日は魔法の練習は中止だぞ」

クド「はい、リキからうかがっています。あれ? そういえばリキはご一緒じゃないんですね」


ギクリとする一同。


真人「そ、そう理樹は一人で筋トレしているんだよ、筋トレ……痛っ!」


たどたどしさ全開で答える真人。
そんな真人の向こう脛に、鈴のローキックが叩き込まれる。


真人「痛っ! 何しやがんだよ鈴、打ち下ろしは力の逃げ場がねーから地味に痛ぇんだぞ!!」

鈴「バカ、理樹がそんなことするわけない」

真人「バカとは何だバカとは! 筋トレは人類共通の日課だぞ、鈴はしないのかよ!?」

鈴「しない。あと、バカにバカと言っただけだ」

美魚「直枝さんなら買い物にいくとおっしゃって、先程街に向かわれましたよ」


騒ぐ真人と鈴を完全に無視し、美魚がサラリと答える。


クド「わふっ、そうでした。私もそう言われていました。ご丁寧にありがとうございます西園さん」

美魚「どういたしまして。能美さんもお買い物ですか?」

クド「えっ? いえ、家庭科部の……あっ、は、はいっ! 家庭科部の買い出しなのですっ」


美魚の切り返しにクドリャフカの視線が泳ぐ。


美魚「そうですか、気を付けてくださいね」

クド「はい! それでは皆さん、行ってまいりますね」

真人「あぁ」

恭介「気をつけろよ」

鈴「……………(チリン」

唯湖「知らない人に声をかけられても、ついていかないようにな」


振り返り、手を振りながらその場を後にするクドリャフカ。


クド「はーばないすでー!!」


クドリャフカは背を向けて歩き去る。
特徴的な白い帽子と白いマントは、角を曲がって姿を消した。


真人「…………もう大丈夫だぜ、理樹」

理樹「うん」


真人らの背から、恐る恐る現れる理樹。


唯湖「さぁ、クドリャフカ君が遠くに行ってしまわない内に、少年も行きたまえ」

恭介「理樹、スニーキングミッションの開始だ。失敗するなよ」

真人「気合い入れてけよ。なんなら今までバレたことのない、筋肉匍匐前進を教えてやろうか?」

理樹「いいよ、真人みたいにうまくやれる自信ないしさ」

真人「それもそうだな。ははははっ!」

美魚「井ノ原さんは、皮肉という言葉を覚えた方がいいと思います」

理樹「…………じゃあ、行ってくるよ」


クドリャフカの消えた方角に向かって、トボトボと歩き始める理樹。
誰かにバレたら『女装ストーカー少年』と、最低最悪のレッテルを貼られてしまう。
もちろん学園生活だって真っ暗だ。
来ヶ谷が自慢する出来映え「誰も気づかない完璧さ」に期待するしかない。



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