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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第261話 美少女理樹!




理樹「あまり見ないでよ、真人………」

真人「いや、見るなって言われてもよぉ……」

唯湖「どこからどう見ても完璧な美少女だろう? しかも私好みの、な。おっと鼻血が……」


誇らしげに胸を張る来ヶ谷だが、押し寄せる熱い奔流に鼻を押さえ顔を背ける。


美魚「はぁ…直枝さん、素敵です。このまま恭介さんも女装出来たら………」

理樹「ここにいるのは僕じゃない、僕じゃないんだ……」


四人を覆う異様な空間は、ますます帰宅する生徒を遠ざける。


恭介「……何をやっているんだ、お前ら」

――――チリン


恭介の声と鈴の鈴の音が、呆然、恍惚、悶々、現実逃避する四人の意識を現実に引き戻す。


真人「お、おう恭介。それがな………」

恭介「こちらのお嬢さんは……あぁ理樹か」

真人「なにぃ!?」


あっさりと理樹の正体を見破った恭介に、驚愕する真人。
来ヶ谷も意外そうな表情を見せる。


唯湖「ほぅ、こうもあっさり見抜くか。さすが恭介氏だ」

真人「わわ、わかるのかよ恭介」

恭介「そりゃわかるさ、親友だしな」

真人「鈴はすぐにわかったのか?」


鈴がこくりと頷く。


鈴「わかった。女の格好をした理樹を見るのは二度目だ」

真人「……前にもあったのかよ」

恭介「しかし見違えるぞ理樹。どこからどう見ても可愛いお嬢さんだ」

理樹「褒められて嬉しいと思う?」


理樹の恨みがましい視線が恭介に向けられる。


恭介「素直に喜べ。これなら能美の後を堂々と尾行しても、バレないし不振がられない。変装としてパーフェクトだ」

唯湖「当然だ、この私が丹誠を込めたのだから」

理樹「この格好で街に出るのかぁ……はぁ」


絶望の溜め息とともに、ただ涙を流す理樹。


恭介「しかしこれだけ美女だと、かえって理樹が人目をひいてしまうかもな」

唯湖「む、それもそうだな。声をかけてくる不埒者が現れるかもしれん……いや、きっと現れる。理樹少年を見せびらかしたいのは山々だが、声をかけられるのは許せない気持ちになるな」


苦悶の表情を浮かべる来ヶ谷。


恭介「完璧すぎたのが仇となったな、来ヶ谷」

美魚「男性に声をかけられ、困り果てる直枝さん……あぁ、萌える気持ちが止まりません」

理樹「安心してよ、そんな状況になったら舌を噛み切るからさ」

恭介「しかたない、俺と鈴、真人が理樹の護衛につこう」

理樹「なんだよそれ! それじゃあ僕が尾行する意味がないじゃないか!!」

恭介「そんなことはないぞ。理樹は能美を尾行し、俺達は理樹を尾行するんだ。能美に発覚する率は格段に少ない」


ぽん!と、理樹の両肩に両手を乗せる恭介。


恭介「能美は理樹が守れ、俺達は理樹を守る」

唯湖「是非そうしてくれ、理樹少年が不埒な獣に汚されるかと思うと、気が気でない」

美魚「あっ、私も鼻血が……」


美魚の脳内で、自分がどのような扱いを受けているのか……理樹は鼻血を流す二人を心底恐ろしいと感じていた。


真人「お、おい。クー公が来たぞ!」


一同の視線が、寮へと続く道から歩いてくるクドリャフカに集中する。


恭介「今から隠れるのは不自然だ。理樹は伏せろ、真人と来ヶ谷は理樹を隠せ!」

真人「おう!」

唯湖「了解した」


――――ミッションスタートだ!



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あきゅろす。
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