MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第260話 女装
◆◆◆
《鳳凰学園‐生徒会室‐》
勇人「さて、と。チャッチャと終わらせますか」
今日、生徒会室には勇人以外いない。
リトルバスターズの面々はクドを追跡調査しに行き、生徒会活動はお休み。
だが、まぁ、仕事が決して無いわけではなく、やらなければならないことが多々あるわけで。
ことり達も生徒会業務で、今はあっちこっち駆り出されてる。
勇人「俺も様子が気になるしな……」
この書類仕事をサッサと終わらせて、合流さるとしよう。
勇人「…………他の面倒事が起きなければいいが」
今座っている席の後ろにある、窓の外に意識を向けながら、一人そう呟いた。
◆◆◆
《鳳凰学園‐校門‐》
唯湖「待たせたな、真人少年」
真人「おっ、この俺の完璧な潜伏術を見破るたぁ、さすが来ヶ谷だ」
唯湖「潜伏している………のか?」
校門脇の植え込みの陰で潜む巨大なG……もとい、真人。
バンダナに刺さった木の枝が、僅かに潜伏の意図を伝えるものの、その不審な姿は、誰から見ても忍んでいない。
しかし皆、話しかけることはおろか視線すらもそらして通りすぎてしまうので、完璧に忍んでいるとの錯覚から目覚めることはない。
真人「西園も一緒か。しかし肝心の理樹が見当たらねぇな」
唯湖「くくくっ、目の前にいるんだが」
真人「あん、目の前?」
真人の目の前には来ヶ谷と美魚、そして見慣れない女の子が一人立っているだけ。
真人「そうか、クー公が来るまで理樹も隠れているってことか。ところでそっちの生徒は誰だ?」
唯湖「くっ、はははははっ!」
?「ううっ………」
堪えきれずに笑い出す。
女子生徒は顔を伏せ、必死に涙を堪えているようだ。
真人「お、おい来ヶ谷!? ダメだ話になられねぇ。なぁ西園、来ヶ谷のやつ、どうしちまったんだよ?」
どこか惚けた顔で、うっとりと女の子を見つめる美魚。
真人の声など、まるで耳に入ってない様子だ。
真人「西園? おい西園!? なんだよ、こっちもかよ………」
唯湖「くくくっ、失礼、真人少年」
笑いすぎたのか、来ヶ谷の目尻には涙が溜まっている。
唯湖「だから言っているだろう、理樹少年は目の前にいると」
真人「はぁ?」
?「うぅっ、真人……」
女の子が顔をあげる。
真人「あん? この声は紛れもなく理樹。何であんたから……ま、まさか………」
唯湖「フッ、そのまさかだよ」
真人「こ、この女の筋肉は………理樹!?」
唯湖「…………君は筋肉で人を判別しているのか?」
相変わらず変に人の域を超えた男である。
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