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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第259話 超巨大G伝説!





◆◆◆


《鳳凰学園高等部‐1年1組‐》


授業が終了し、放課後となった。
足早に教室を後にするクドリャフカを見届けた後、真人は理樹の席へと歩み寄る。


真人「なんつーかよぉ…クー公相手だと、他の誰にウソを吐いたときよりも心が痛くなるな」

理樹「ウソを吐かなきゃいけなかった僕は、真人の何倍も心が痛いよ」

真人「まぁ、これもクー公のためだ。許されるさ」

理樹「そうかなぁ………」

唯湖「待たせたな、理樹少年」


クドリャフカの出ていった扉より、唯湖と、大きな紙袋を持った美魚が現れる。
珍しいことに、二人ともどこか楽しげな様子だ。


美魚「先程能美さんとすれ違いましたから、急げばまだ間に合います」

理樹「来ヶ谷さんに西園さん。待たせたって……何を?」

唯湖「変装用の衣装一式だ」

理樹「は?」

美魚「気合いを入れてチョイスしました。絶対に似合うと思います」


美魚より差し出される紙袋。
来ヶ谷の浮かべた邪悪な笑みと、美魚の浮かべたファンタジーな笑みが、理樹を戦慄させる。


理樹「いや、別に変装なんかしなくても……」

真人「おう、準備がいいな。俺も丁度、理樹に尾行が出来るのか?って、不安に思っていたところだ」

理樹「ちょっと真人!」


抵抗を試みようとする理樹だが、意外なところから反撃を受け狼狽える。


理樹「真人、来ヶ谷さんと西園さんの表情を見てよ! 絶対に何か企んでる顔だよ!? 何かおかしいよ!!」

唯湖「ふふふっ、企んでるなどと人聞きの悪い。こんなにも理樹少年のためを思っているのに」

美魚「そうですよ。直枝さんのため、能美さんのため。そしてほんのちょっと私と来ヶ谷さんのために、可及的速やかに着替えてください」

理樹「西園さん、その手に持ったデジカメは何のためにあるの!?」

美魚「……最近、風景写真に凝っていまして」


なんとも嘘くさい理由である。


真人「いいからさっさと着替えてこいよ、理樹。早くしないとクー公が学園から出ちまうだろ」

唯湖「真人少年の言う通りだ。さぁ、私と美魚君が着替えを手伝うから、早くしたまえ」


チャッ!と、これ見よがしに愛用の太刀を掲げ、鯉口を切る。


理樹「わ、わかったよっ! 着替えればいいんでしょ、着替えればっ!!」

唯湖「うむ、理樹少年は諦めが…もとい、話が早くて助かる。それでは真人少年は校門のところでクドリャフカ君を見張り、もし私達が間に合わなかったら、それとなく足止めしてくれたえ」

真人「おう、わかったぜ!」

唯湖「それでは行こうか理樹少年」

理樹「わわっ!」


来ヶ谷と美魚によって、教室から連行される理樹。


真人「来ヶ谷と西園のやつ、気合いが入ってんなぁ。よしっ、俺も頑張らねぇとな!」


そう言うやいなや、真人は腹這いになって床に伏せた。


真人「クー公に見つかっちゃまずいからな。今日は特に隠密行動に特化した匍匐前進で行くぜ!」


頭まで地面スレスレに伏せ、腕を伸ばして手の力だけで引き寄せる。

――――ずりっ、ずりっ。


真人「よぅし、筋肉が温まってきた。この廊下、ぶっちぎるぜ!!」


――――ずりずりずりずりっ!

信じられない速度で廊下を這い回…いや、匍匐前進する真人。
モーゼの十戒の如く、廊下を行く生徒達が左右に別れ、真人の進む先を開ける。


真人「校庭に到達! 予定より時間を食ったな。ここからは両足を用いた匍匐前進でスピードアップだっ!!」


――――ずりりりりりりりりりりりりっ!!

後日、超巨大G伝説が学園内を席巻するのだが、それはまた別のお話………。


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あきゅろす。
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