MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第257話 神爪勇人VS朝倉純一&土見稟&アリサ・バニングス&月村すずか
◆◆◆
《神爪家‐研究室‐》
稟「……なんだ、ここは?」
神爪家のとある一室に入った来客を代表して、稟がそう言った。
彼も純一達と同じように、勇人に訓練をつけてほしいと頼み込んできたのだ。
どうやら悠希も仕事でいないらしい。
どこもかしこも慌ただしいなと思いつつ、勇人はこの部屋の説明を始める。
勇人「主に俺が色々造ったりしてるときに使う部屋なんだが、今つくってんのはこれだ」
この部屋は、客室のような部屋とは違い、だだっ広いスペースがあり、一番目立つのは巨大な水槽のような形をしたモニターだ。
その横に並ぶように、ポッドのようなものが立ててある。
勇人「まだ試作品なんだが、これは体感シュミレーションってやつでな。模擬戦にはもってこいだ、安全だし」
純一「体感シュミレーション?」
勇人「ま、やってみれば解る。お前ら、ポッドの中に入れ」
勇人の言葉に従って、みんなは各々ポッドの中に入る。
勇人「ちゃんと入ったか?」
アリサ「おっけー」
純一「ああ」
稟「大丈夫だ」
すずか「準備万端ですっ」
勇人「よっし、それじゃあシュミレータースイッチオン!」
◆◆◆
勇人「―――ここが、シュミレーターの中だ」
皆は辺りを見回してみる。
辺りは一面草原。
地平線の向こうまで草原で、まるで無限に続いているようだ。
アリサ「ここなら、好きに暴れられるってわけね!」
勇人「そういうわけだ。さ、まとめて稽古つけてやるから、さっさと準備しろ」
すずか「はい!」
言って、アリサとすずかはデバイスを起動させる。
アリサ「フレイムアイズ!」
すずか「スノーホワイト!」
アリサ&すずか『セットアップ!!』
バリアジャケットを身に纏う。
アリサは桃色と赤色が目立つジャケットを、すずかは青色のドレスのようなジャケットデザインだ。
勇人「………お前らは?」
純一「いや、俺は………」
稟「実戦するつもりはなかったんだが………」
「まぁ、いいからやっていけよ」と言わんばかりに、指をゴキゴキと鳴らしながら彼等を見据える勇人に、二人は若干溜め息を吐きながら、
純一「………やるか?」
稟「ああ………てゆーか、やるしかなさそうだ」
身体に、気力と魔力を循環させる。
ほんの少し前まではただの一般人だった彼等だが、徐々に此方の世界に染まりつつあるようだ。
アリサ「それじゃあ、いっくわよ~!!」
アリサが持つデバイス、フレイムアイズは形状的にはガンブレードに近い。
基本攻撃は剣による斬撃だが、トリガーを引けば、まるで鞭のように剣から炎が飛び出してきた。
勇人「ま、避けるのは楽なんだが」
アリサ「なっ」
ヒョイヒョイと容易に避ける勇人に、
アリサ「ちょっと、大人しく当たりなさいよ!!」
勇人「無茶言うな」
ムキになってブンブンとデバイスを振り回し、辺りに炎の鞭を飛ばしまくる。
完全状態ならいざ知らず、封印されて弱体化している今の勇人に、相手の攻撃を食らってやる余裕はない。
アリサ「これならどうよっ!?」
言って、アリサは再び炎の鞭を飛ばす。
今度は三本の鞭だ。
勇人「やれやれ」
正面に防護壁の魔法陣を展開し、アリサの炎を受け止める。
………そしてその炎を反射させて、跳ね返した。
アリサ「え、ちょ、待っ」
跳ね返った炎がアリサに直撃、
すずか「もう、大丈夫アリサちゃん?」
……することはなく、跳ね返した炎は、すずかが展開した氷の障壁に阻まれた。
勇人「アリサは炎、すずかは氷の変換資質か」
中々にレアである。
純一「魔法の射手‐サギタ・マギカ‐!」
稟「おおおっ!」
魔力を弾丸へと変えた純一の攻撃と、それに合わせて稟が気力を纏って殴りかかってくる。
勇人「甘い甘い」
飛んでくる魔力の弾丸を拳で叩き落とし、迫り来る稟の腕を掴んで放り投げた。
稟「うおおおっ!?」
純一「おい、ちょっと待てぇっ!!」
無論、純一目掛けて。
放り投げた稟と純一がぶつかり、二人はもつれあって無様に転ぶ。
勇人「ま、こんなもんだろ」
まだ戦闘訓練を受けて日が浅いのであれば、まぁこんなものだ。
この四人が纏めて束になってかかってきたところで、いくら封印されていようと勇人の敵ではない。
だが、これは訓練。
彼等も鍛えるために来たのだから、
勇人「さぁて、レッスンといこうか♪」
嬉々として稽古をつけてやるとしよう。
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