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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第253話 5月の終わり




イメージOP
『Foreve we can make it!』




ぽかぽか陽気の天気のいい日。
五月もいよいよ終わりになり、もうすぐ梅雨の季節がやってくるが、今日のような天気のいい日に外へ出ないのは、御天道様への冒涜といっても過言ではないかもしれない。


美魚「………それでは私は中庭で読書に勤しむとします。能美さんもご一緒にいかがですか?」

クド「わ、わふ? いえいえ、私はお買い物に行く予定なのです」

美魚「そうですか。では、気をつけて行ってきてください。知らない人に誘われてもついていってはいけませんよ。あと来ヶ谷さんについていくなら、新しい扉を開ける覚悟をしてからをお勧めします」


なんて会話が、先ほどまであった。

美魚をそれとなく買い物に誘ったつもりでいるクドは、うまく言葉を伝えることが出来ず軽く落ち込んだが、いつまでも落ち込んではいられない。
クドの今日の買い物の目的は、昆布である。
函館は南茅部産の真昆布が、この月末限定で特売されるというので、それを確認しにいくのだ。
店の住所や行き方は、理樹から聞いてきたのだが、どこかで道を間違えたのか、それらしい店が見つからない。
道を間違えた。
だが、それはクドにとってはいつものことで。
天気もいいことだし、散歩がてら歩いていれば、きっとそのうち見つかるだろうと、クドは陽気に道を歩く。

―――――グ~~っ

と、心はなんとかなるが、やはり身体は正直で。
スカートのポケットから取り出した携帯を見ると、短針は一時を過ぎた頃。
腹も減るはずである。


クド「わふっ!?」


風に乗って運ばれてきたのは、鰹だしの香り。
これは、近くに蕎麦屋があることを意味してる。
こと、日本食の嗅ぎ分けに関しては、彼女の愛犬であるストレルカとヴェルカにだって引けを取らない。
こんなタップリと鰹節を使った、上質の出汁の香りをさせている蕎麦が美味しくないはずがないと言わんばかりに、鼻を効かせて香りの出所を探す。
そして見付けたのは、和風の店構えに暖簾という、誰もが想像しやすい定番の店構えをした蕎麦屋があった。
暖簾が下がっているということは、営業中である。
期待に胸を高鳴らせて、クドは暖簾を潜ったのだった。


クド「たいしょー! うどんそばいっちょー、なのです~!!」





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