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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第243話 最強生徒会長の登校模様




やぁ、久しぶりだね。

君の大好きな安心院さんだよ。

いったい何時ぶりぐらいかな?

君が"幽亀のユリア"の部下から封印されたのを感じて、ようやく会うことができたよ。

普段は僕からの連絡を断ってるからさ。

まぁ、君はあまり僕に会いたがらないけどね。

けど、たまにはいいじゃないか、君ほど僕と永い付き合いな奴はいないんだ、たまには僕の暇潰しに付き合っておくれよ。

お互い無駄に長生きしてるんだからさ。

………さて、何の話をしようか。

ああ、そうそう。

そういえば、最近また誰かを拾ったらしいね。

今度は宇宙人だっけ?

君のその、色んなものに出会す運命はホントに面白い。

今も昔も変わらないね、君がまだ普通の人間だった頃はもっと…………

あー、はいはい。分かったよ、そう怒らないでおくれ。

これでも心配してるんだぜ?

今の君は何のスキルも使えないんだからさ。

問題なく使えるのは、元々持ってた"概念能力"くらいだろ?

まぁ、君ならそれだけでも相当戦えるんだろうけど、それでもこれから現れる奴等を相手にするには、心許ないだろう?

そんな君に、この安心院さんから新しいスキルを………

あげたいのはヤマヤマなんだけど、実はそういうわけにもいかなくてね。

今の僕も君と同じ、ちょっと封印されてるのさ。

球磨川禊って子を知ってるかい?

………ああ、真黒くんから聞いてるなら話は早い。

その子にちょっと、してやられてね。

実は今、全く動けないんだぜ。

だから君が僕を訪ねてきても、悪いけど君の封印を解いてあげることは出来ないのさ。

だが、まぁ、安心したまえ、安心院さんだけに。

スキルはあげられないけど、1つ情報をあげよう。

どうも最近、世界中が慌ただしいのは君も感じてるだろうけど、今最も慌ただしいのは霊界…正確に言えば、ソウルソサエティさ。

……そう、君が今思い浮かべたあの男が、そろそろ動き出す頃だぜ。

と言っても、さすがに今すぐ動いたりはしないだろう。

けど、安心しちゃいけないよ、安心院だけど。

今の君じゃ、副隊長はともかく、卍解を使える隊長格と戦ったら、確実に負けるからさ。

更木剣八なら、まぁ、戦い方しだいだろうけど。

……ああ、更木剣八っていうのは、今の十一番隊の隊長さ。君が知ってる剣八は、更木に殺されちゃったからね。

彼は要注意だよ、単純な戦闘力なら、護廷十三隊でも随一だと思うよ。

……それで何で更木剣八なら勝てるかもって?

それは戦ってみれば分かるよ、お薦めはしないけど。

………そろそろお目覚めの時間かい?

では、お別れだ。

久々に会えて愉しかった…いや、楽しかったよ、たとえ夢の中でもね。

じゃあ、またね。

当分僕は動けないけど、まぁ、君が鳳凰学園を卒業するまでには、そっちに遊びに行くよ。

僕の学校、箱庭学園も近々鳳凰学園と合併するからさ。




◆◆◆


《神爪家‐勇人の部屋‐》



勇人「………はぁ」


ララが神爪家に住むことが決まった翌日の朝、目覚めて早々に大きな溜め息を吐き出す勇人。
相も変わらず、何処にでも現れるやつである。
しかし、有益な情報を貰った。


勇人「………愛染惣右介、また奴が動くか」


約百年前に、勇人は愛染惣右介に敗北した。
その借りを返す良い機会なのだが、今の封印状態であの男に勝つのは難しいだろう。
愛染が何かを仕出かすなら、その対策も考えなければ。

勇人「………ま、その前に朝飯だな」



◆◆◆


《初音島‐桜並木‐》



「天誅ぅぅぅぅぅうううううううううう!!」「逝き去らせぇぇぇぇぇええええええええええ!!」「楓ちゃんバンザァァァァァァァァァァイ!!」


もうすぐ6月を迎える、5月末の空の下、とある国のとある島は戦場と化していた。
いや、正確には狩り場だ。
鳳凰学園の正門へと続く桜並木は、土見稟、朝倉純一、神城悠希、綾崎ハヤテの4人を巡る狩り場と化したのだ。


「ここで会ったが百年目ぇぇぇぇぇえええええ!!」「我が嫉妬を力に変えて貴様を討つ!!」「殺! 殺!! 殺!!!」「俺のこの手が真っ赤に燃える! お前を倒せと轟き叫ぶ!!」


彼らに向かってくるは、拳を振り上げる神族の男子生徒、カメハメ波の体勢で光弾を生み出そうとしている魔族の男子生徒、金属製の釘バットを上段に構えているのは人族の男子生徒etc.....。


稟「ったく!」
純一「かったりぃ……」
悠希「いい加減にしろよ!」
ハヤテ「……もう慣れましたよね」


彼等は、襲い掛かってくる襲撃者達の間を全速力ですり抜けていく。
逃げまくること、既に30分。
どうにか校門に近づいているものの、近づけば近づくほど、襲撃者の数は倍々ゲームで増え続けていた。
さすがにうんざりする。
しかし、逃げなれた彼等の身体は、全てを的確な動作で避け、いなし、やり過ごしていく。
鳳凰学園には数多くの非公認ファンクラブが存在する。
中でも突出しているのは、"親衛隊"と呼ばれる面々だ。
そのいずれのブラックリストには、彼等の名前がある。
理由は単純、親衛隊が意中になっているいずれの美少女達が、彼等に想いを寄せているためだ。
中には、好きだと明言している子もいる。
更には、彼女達と親しく語り合ったり、雨の日には相合い傘で帰ったり、それぞれがお手製の弁当を持ってきたり、そのお弁当を「あ~ん☆」など食べさせてくれる。
いや、なにより、彼等はその美少女達と同居していたり、中にはお隣さん、中には浮気を含めて両父が承認。
婚約がどうの、婿がどうのという話まで日常的にかわされている………。
こんな男達を生かしておいて良いのか?
否! 断じて否だ!!
というわけで、


「逃がすなぁぁぁぁぁあああああ!!」「シア様マンセェェェェェェェェェェッ!!」「ビバ、音夢様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!」


騒動は拡大の一途を辿っている。
既に親衛隊とは無関係な男子生徒まで襲撃に加わっているようだ。
だが、彼等は軽く冷や汗をかいた。
自分の安否を心配したわけではない。
危険なのは、むしろ襲撃者達のほうだ。
親衛隊達は感情的になるあまり、ある重要なことを忘れ去っている。

――――この学園に君臨する、絶対的な存在を。




勇人「邪魔だ、ひれ伏せ」


不意に、強烈な威圧感が、桜並木の彼方から放たれた………直後、
バタバタッと、不意に親衛隊達が地に倒れていく。
皆、白目を剥いて気絶していた。
とりあえず、死者はゼロのようだ。

……そう、この男、神爪勇人こそが、彼等の通う学校、鳳凰学園に君臨する最強生徒会長である。

だが、


純一「……勇人、お前何食ってんだ?」

勇人「見てわかんねーのか?(ズゾゾゾゾ~」

悠希「………カップラーメン、だよな」

ハヤテ「桜並木歩きながらカップラーメンですか……」

稟「物凄くシュールだな……」


あれだけ強烈な威圧感を発しておきながら、そのカップラーメンを割り箸で啜りながら桜並木を食べ歩いてる様は、酷く場違いで間抜けだ。
ついでにどうでも良いことだが、勇人が今食べてるカップラーメンは豚骨味である。


稟「何でカップラーメン食って歩いてんだよ」

勇人「いやよぉ、頼子がまた朝飯を作り忘れてな、寝坊で。セバスチャンに作って貰おうにもゆっくり食ってる時間ねーし、しゃあねぇからカップラーメンに熱湯入れて家を出て、3分経ったから今食いながら登校してんだよ」


因みに、ルルーシュやイヴ、希とアリシアは勇人を置いて、朝早くから登校していたりする。
まったく薄情な奴等である。


勇人「……と、もうすぐホームルームが始まるな。急ぐぞ、遅刻したら撫子に殺される!(ゴキュゴキュゴキュッ!」

稟「ラーメンのスープ啜りながら言われても、危機感ないんだが……」

純一「親衛隊はどうすんだ?」

勇人「放っとけ」

ハヤテ「いいんですかね……?」

勇人「分かった、言い直す………重石でも付けて海に沈めとけ」

稟「ひでぇ……」



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あきゅろす。
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