MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第222話 それでも日常は変わらず進む
◆◆◆
《芙蓉家‐居間‐》
楓「悠希くん、お茶はいかがですか?」
悠希「あ、貰うー」
楓「稟くんもいかがですか?」
稟「ああ。貰うよ」
楓が淹れてくれた緑茶を啜りながら、稟は昨日悠希に聞いたことを思い返していた。
それは、神城悠希が戦う理由。
『闇の書事件』で起きたような、自分の身近な者の死。
それを二度と起こさないように、彼は力を欲したのだ。
友人として危険なことは止めてやるべきなのかもしれないが、
稟(何もしてない俺が、とやかく言えることでもないよな………)
チャリ…と、首に掛けているネックレス…テスタメンツを手で弄り、
稟(どうしようか……俺は………)
これから向かう自分の道を、1人思い悩む。
◆◆◆
《朝倉家‐純一の部屋‐》
音夢「………………」
純一「………zzz」
ベッドで健やかに眠っている純一の横に立ち、音夢はその手に握る広辞苑を勢いよく純一の顔面へと降り下ろす。
純一「させるかぁっ!?」
純一はカッ!!と目を見開き、直ぐ様身を翻す。
一瞬遅れて、ドスッ!!という鈍い音が耳元に聞こえてきた。
見ると、つい今しがたまで頭を置いていた枕に、音夢が降り下ろした広辞苑が深々と突き刺さっていた。
音夢「おはよう、兄さん♪ よく眠れましたか?」
純一「危うく永眠するとこだ!」
素敵笑顔で何てことをするのだろうか、この妹は。
音夢「こんな時間まで寝てる兄さんが悪いんですよ。いくら学園が休校だからって寝過ぎです!」
純一「まだ昼じゃねーか」
音夢「十分すぎます。武闘会祭で休校になって、清涼祭も中止になっちゃったから、休校が開けたら直ぐに中間テストが始まっちゃうのよ。勉強しなくていいんですか?」
純一「…………え?」
音夢「だから、中間テスト。一週間程休校だから、少し難しくしてるって先生も言ってたよ」
純一「マジで?」
音夢「マジです。あ、もし赤点を取ってしまうようなことがあれば、紅薔薇先生のきっつい補習を受けなきゃならないみたい」
純一「……………パ、パードゥン?」
音夢「いや、英語で聞き返しても答えは変わりませんよ」
音夢はそれだけ告げると、部屋から出ていった。
純一「………こうしちゃいられねぇ!」
昨日の晩、寝ながらエレメントやら今後の身の振り方とか色々考えていたが、どうやらそんなことを考えている余裕は無いらしく、純一は直ぐ様携帯を取り、電話を掛けた。
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