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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第219話 マイペースな生徒会長





◆◆◆



《遠野家‐居間‐》



―――遠野の屋敷は、神爪家並みに広い。

これほどの大きな家だ、当然何処の部屋も大きい。

一般家庭では間違いなく見る事のない人が十人以上が向かい合って座れそうなほどに長いテーブル。

それに見合うほどの何十畳という程の広さを誇る、まさに大広間と呼ぶべき場所で、琥珀が作った意外と普通な、かといって味はかなり美味い朝食を口に運び至福の時を過ごしていたクロノ達は、



勇人「………」

秋葉「………」


―――対象的と言わんばかりに重苦しい空気を纏って勇人を睨んでる秋葉の姿を目にしていた。

極寒零度の睨みを効かせているが、その睨みの対象である勇人は全く異にも介さず、琥珀の淹れたコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。

志貴はそれをチラチラと横目で見ながら、朝食のスープを口に運ぶ。

さっき起きてきたばかりの彼には、秋葉と勇人との間で何が起きたのか分からない。



……あの学園の事件後。

既に敵が撤退した後に目を覚ましたクロノ達は、住宅地に落下して気絶していた勇人の異常な反応を示した魔力を感知し、保護した。

そして、ロアを見事抹殺した志貴達も、セバスチャンとキャスターがクロノ達と同じく勇人の魔力を感知して、合流。

今回起きた事件が複数の組織によって引き起こされ、各々別々の組織を相手した。

一度各々の情報を揃えようとのことで、勇人の治療も兼ねて遠野家に一泊したのだ。



勇人「…………」


パラッと、新聞のページを一枚捲る。

黙々と新聞を読む勇人にいい加減痺れを切らした秋葉は、


秋葉「食事のマナーというものを知らないんですか、あなたは?」

行儀が悪いと言いたそうな言い方で、咎めた。

その様を視界の端に納めながら、昔はもっと可愛げがあったのになぁ、と悲観にくれながらも勇人は新聞から顔を上げ、



勇人「言われてるぞ、志貴」

志貴「俺かよっ!?」

予想外の矛先を向けられて、勢いよく志貴がつっこんだ。



勇人「他に誰がいるんだ?」

志貴「新聞読んでる奴だよっ!」

勇人「……………?」

志貴「お前に行ってるんだよ、生徒会長っ!!」



ギャーギャーと騒ぐ志貴と勇人を見てクロノは、何処にいっても誰が相手でも相変わらずマイペースに誰かをおちょくってるんだなぁと、軽く志貴に同情しつつ、


クロノ「勇人、話が進まないからその辺にしてくれないか?」


助け船を出した。

仕方なしといった風に、勇人は志貴をおちょくるのをやめにして、



勇人「……で、何の話だっけか?」


真顔でそう言う勇人に、この場にいる皆は深々と溜め息を吐いた。



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