MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第206話 戦いの時
◆◆◆
《鳳凰学園-旧校舎前-》
勇人「――――インディグネイション!!」
空から凄まじい豪雷が大地に降り注ぎ、地上にいる数多の土塊を一掃する。
神爪勇人は律儀にも旧校舎の出入口から出てきて、暢気な足取りで帰ってくる。
アルクェイド「……失敗したの?」
急に戻ってきた勇人に、アルクェイドは強く睨みながら聞いてきた。
まだゴーレムが次々と復活する様を見るに、ロアが死んでいないのは明らかだ。
勇人「安心しろ。ロアの新しい能力は完全に封じた、残りの片割れをキッチリ志貴の魔眼で殺せば、アイツは死ぬ」
懐には封魔の瓶に封じたロアがいて、コイツを再び表に出すようなことをしなければ、もう四季1人を直死の魔眼で殺したとしても、ロアも普通に死んだりすることはない。
二度と転生することはないのだ。
残す問題は、志貴と四季の戦い。
勇人「悪いが、ここを任せていいか?」
この旧校舎以外にも、まだ戦いは続いている。
この初音島を護ることが仕事の勇人の戦いは、まだ終わっていない。
キャスター「……早く行ってきなさい」
セバスチャン「ここは我々が食い止めます」
夜葬「……終わらせてこい」
勇人の事情を知る面々が、其々に言葉を送る。
他の奴等も、特に何か言うわけではないが、ここは任せろと言わんばかりに、復活してくるゴーレムを次々と打ち砕いている。
勇人は皆を一瞥し、大きく跳躍し、空を駆けた。
◆◆◆
《初音島-枯れない桜-》
純一「終わっ…たぜ……」
稟「…そう…だな………」
行き絶え絶えに地面に座り込む皆。
急に現れた吸血鬼。
襲いかかってきた屍鬼。
そして、覚醒した力。
未だにどういう状況なのか、正確に把握しているわけではないが、取り敢えず一段落して安堵の息を洩らす。
だが、それも長くは続かなかった。
帝「なんだぁ…先客がいるなんざ聞いてねぇぞ」
さくら「!?」
その人物に、一番最初に気づいたのは芳乃さくらだった。
桜の林の中から、静かにやって来た男。
皇 帝。
そして、帝の後ろから走ってくる影が1つ、
悠希「やっと追い付いた!」
皆がよく知っている、土見稟と芙蓉楓の幼馴染み。
神城 悠希。
その姿を見て、悠希と稟達の思考が停止する。
悠希「お前ら、その姿は……?」
稟「いや、俺達もよく……」
説明出来る筈もなく、言葉が途切れる。
稟も、何で悠希がこんなところにいるのか、問い詰めようとするが、
帝「で? テメェらは一体何なんだ? 俺の邪魔をする気かよ?」
静観していた帝が口を開き、悠希は帝の後ろから、稟達の元へと跳んで移動し、ホルスターから愛用の装飾銃を取り出し臨戦態勢を整える。
悠希「お前らが何企んでるか知らねーけど、お前は俺が止める!」
帝「……………」
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