MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第203話 面会わせ
◆◆◆
《鳳凰学園旧校舎-一階正面入り口-》
外にいる夜葬達が道を切り開いてくれて、なんとか旧校舎内へと入り込むことが出来た勇人と志貴。
志貴は、入り口から外を心配げに見る。
勇人「……外は心配せずとも良いだろ。お前と衞宮士郎以外は、みんなこういった戦いには慣れている」
今戦っている面子のなかでは、間違いなく戦闘力最低を一二を争えるレベルだ。
だが、志貴には特別な力がある。
それは、『直死の魔眼』という、あらゆるモノを殺す力。
その力があれば、例え不死身でも殺すことが出来る。
それは、転生するロアでも例外ではない。
志貴「……分かってる」
勇人「あ、そうだ。これをお前に渡しておこう」
言って、勇人は志貴にあるものを手渡した。
志貴「………なんだこれ?」
それは、黒いベルトだった。
だが、ただのベルトではなく、それは魔法の道具。
人界の魔法科学で生み出された、マジックアイテム。
勇人「それは、自分の身体能力を向上させるマジックアイテムだ。お前は魔眼を持っていることを除けば、普通に殺人術に長けただけの人間だからな。吸血鬼を相手にするんなら、これくらいは必要だろ」
志貴「そうか、ありがとう」
早速志貴はベルトを腰に巻いてみる。
そこで勇人は思い出したかのように、
勇人「言い忘れたが、自分の身体の筋力以上のパワーアップをすると、翌日にそれ相応の筋肉痛がおそってくるから」
志貴「……それを先に言ってくれ」;
だが、そんなことも言ってられず、志貴は改めてベルトを装着した。
勇人「………あん?」
と、勇人は眉を寄せ、不審げな声を出す。
志貴「どうしたんだ?」
勇人「ロアと四季が各々別の場所に移動しはじめやがった」
隠す気配もない相手の魔力の気配を感じ取った勇人は、これが誘いだというのは理解した。
それと同時に、もうひとつの考えも………。
勇人「一度に二人纏めて殺されることのないようにとった行動か」
殺してしまっては意味がないし、どちらか片方を直死の魔眼で殺しても、もう片方は片方が死ぬと自動的に死ぬようなことになっている。
しかもそれは普通の死と同じで、それだと片方は転生してしまう。
そのため、二人同時に完全に殺すしかない。
これは、万が一にでも二人纏めて殺されることがないようにとった行動ということだ。
だが、
勇人「問題ない」
そうした行動を取るのも予想の範囲内。そのための策は用意してある。
勇人「二手に別れるぞ」
◆◆◆
コツ、コツ、と、無人の廊下に靴音が響く。
旧校舎の外は、学園中に戦いが起こっているというのに、この旧校舎の中は不気味なまでに静かだ。
そんな旧校舎に、
ロア「………来たか、魔神」
勇人「………………」
魔を神の域まで極めたと言われる魔神と、無限に転生する吸血鬼が、相対した。
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