MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第187話 目覚める時
◆◆◆
《初音島-上空-》
勇人「……どうなってやがる」
上空から、飛んでいる虚-ホロウ-を魔法や鬼道で撃ち貫いていく勇人の知覚に、あり得ない魔力を感じ取った。
勇人「ロアの魔力を2つ感じる……何だ、分身の類いか?」
1つは桜公園、もう1つは風見大橋から。
すると突然、他にも大きな気配が各々に出現する。
ロアが現れた場所と同じ所に。
セバスチャン「勇人様」
背後からまた突然に現れた執事。
だがいつものことなので特に驚くこともなく、
勇人「何だ、事が起こった時は家の守護を命じてたハズだが……?」
セバスチャン「問題ありません、C.C.様に任せてきましたから」
勇人「不安なんだが……」
別に力を信用してないわけじゃないが………。
セバスチャン「枯れない桜の元へルルーシュ様とイヴ様が、学園にキャスター様と香澄様が向かわれました」
勇人「この気配はアイツらのか」
セバスチャン「ついでに、風見大橋にはアルクェイド様や遠野様方が行かれたようです。月影様も向かったみたいですが」
勇人「……アルクェイドがいるってぇのに、よく行く気になれるな、アイツも」
まぁ、それはアイツの事情だし、俺がどうこう言うことじゃないか、と感覚神経をフル稼働させて、改めて気配を鋭敏に探る。
大きな戦いの気配があるのは、三ヶ所。
学園と桜公園と風見大橋。
ロアがいるのは桜公園と風見大橋の二ヶ所。
勇人「……さて、何処へ向かうべきか」
◆◆◆
《桜公園-枯れない桜-》
イヴ「……数が多すぎる」
ルルーシュ、イヴ、さくら、環、ネリネ、リコリス、キキョウ、リシアンサスと、魔法で戦える者は皆吸血鬼擬きに応戦するが、数が多すぎてキリがない。
樹も錬金術で迫り来る吸血鬼擬きを薙ぎ払うが、それでも数が減る様子はない。
純一「……くそ………」
そんな魔法が飛び交う中、戦う力を持たない純一達は、己の無力さを痛感していた。
魔法を使うことが出来るが、戦う力なんて持っていない朝倉純一。
自分を好いてくれている婚約者候補達に守られている土見稟。
悪を成敗することも出来ず、友達を守ることも出来ないリトルバスターズ。
そんな無力な自分の不甲斐なさに、皆は強く、心に願う。
―――――力が欲しい。
昔…闇の書事件で家族を亡くした稟は、特にそう願った。
その瞬間――――……
◆◆◆
《初音島-風見大橋-》
ハヤテ「っ!?」
助けに入ってきたと思しきアルクェイドと遠野志貴の2人を離れて見ている中、突然ハヤテの右手に熱が宿る。
右手から緑色の光が溢れだし、その光が全身を包み込む。
光の輝きが収まり、その姿が顕になる。
そこには……以前、無人島で起きたテロリスト襲撃事件の際、アリサとすずかの時と同じように………
………鎧兜のようなモノをその身に纏った、人間の姿があった。
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