MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第185話 動き出す蛇
◆◆◆
《桜公園-枯れない桜-》
さくら「…ハァ……ここまで、くれば……ハァハァ…大丈、夫………」
学園を出て、桜公園の奥へ行き、この一際大きい枯れない桜の前へ逃げてきたさくら達。
乱れた息を整え、さくらは全員いるかどうかを確認する。
眠っている朝倉音夢を背負っている朝倉純一。
みんなが居ることを確認している土見稟、胡ノ宮環。
その後ろにいるリシアンサス、キキョウ、ネリネ、リコリス、芙蓉楓、麻弓=タイム。
辺りを警戒している緑葉樹、棗恭介、棗鈴、直枝理樹、宮沢謙吾、井ノ原真人。
自分が連れてきた生徒全員がいることに安堵し、さくらは枯れない桜を見上げた。
以前勇人が枯れない桜を浄化し、この枯れない桜の樹を中心に御祓の結界を張っており、ここら一帯ならそんじょそこらの悪霊は侵入してこれない。
だからこの場に逃げ込んだのだ。
「………おや、人がやって来るとは」
さくら「っ!?」
枯れない桜の影から声が聞こえ、何者かが出てくる。
「外では魑魅魍魎が蔓延っているというのに、よくこの場所へ来れたものだ」
その者は、異常なまでに白い肌をしており、上半身半裸の上にワイシャツを纏っている男。
さくら「………アカシャの蛇!?」
ロア「ほう、私を知っているか…一般人ではないようだな」
ミハイル・ロア・バルダムヨォン
通称、アカシャの蛇。
最近巷を騒がせている『現代に甦った吸血鬼事件』の犯人である。
◆◆◆
《初音島-風見大橋-》
初音島から風見市本島へと続く大橋のど真ん中。
学園を抜けて帰宅途中である三千院ナギと、ナギの執事である綾崎ハヤテ。
ハヤテはナギを自転車の後ろに乗せた2人乗りで、三千院の屋敷へ帰宅しようとしていたが、
ハヤテ「何ですかっ、いきなり!?」
突然短刀で斬りかかってきた男の斬撃を、ハヤテはナギを抱えて自転車から飛び降りて避けた。
避けた斬撃は空を切り、男の短刀が自転車を真っ二つに切り裂いた。
まるでバターでも切ったようなその斬撃に、ハヤテはギョッとするが呑気に観察する暇もなく、男が再び攻めてくる前に後ろに跳んで距離を取る。
距離が遠退いた所でナギを降ろそうとするが、
ナギ「きゅ〜………」
目を回して気絶していた。
仕方無くこのまま抱えて逃げようと思ったが、相手の男に隙はなく、とても逃がしてくれそうにない。
「お前……オモシロイもん持ってんなぁ」
短刀を持った着物を着た男は、ハヤテにそんなことを言い出した。
ハヤテ「……何を言ってるんですか?」
「お前からオモシロイ魔力が流れてるって言ってんだよ、ソイツを寄越しな。お前には勿体ねぇ!」
ハヤテ「…………?」
やはり何を言っているのか分からない。
一瞬ナギのことを言っているのかと思ったが、どうやらそんな感じには見えない。
ハヤテ「誰なんですか、あなたは……」
四季「遠野四季…だ。一応な……」
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