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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第184話 怒れる瞳





◆◆◆



《鳳凰学園-特別観客席-》



この武闘会でめぼしい魔法使いを見付けたら、地球連邦の魔法局にスカウトしようと観客としてやって来た、地球連邦軍本部大佐グライド・ギルダーは、加えていた煙草を地面に落として足で始末しつつ、上空を眺めている部下を見やりながら、




グライド「妹が心配か?」


恭也「……………」


美由希「……えぇ、まぁ」



上空でプレシア・テスタロッサと対峙している高町なのはを見上げている、彼女の兄と姉。



地球連邦軍所属。


高町恭也少佐。

高町美由希大尉。





グライド「心配なら、加勢しに行っても構わねぇぜ?」


恭也「……大丈夫ですよ、なのは達なら」



気を使うように言ったグライドに、




恭也「アイツは、もうガキじゃない」



時空管理局という、地球と全く関係のない組織に所属している妹。


まだまだ戦いというものに、甘さや若さがあるが、




恭也「もう充分一人前ですよ」




恭也は、そこはかとなく嬉しげな寂しげな微笑を浮かべた。





◆◆◆



《鳳凰学園-生徒会室本部-》




ルルーシュ「………ダメだな、携帯も念話-テレパティア-も通じない。あのバカは、肝心なときに……!」



外の様子を生徒会室の窓から観察しながら、携帯をポケットに直してルルーシュ・ランペルージはそう毒づいた。


この生徒会室には、勇人が仕掛けた魔法が掛けられており、学園の中では最高峰の要塞と化している。


そのため、学園内では一番安全な場所と言える。




ことり「……皆は大丈夫でしょうか?」


ルルーシュ「……民間人には手を出していないようだな、人質に使っている様子もない。皆は先生方が率いて逃がしてくれてるし、学園に軍人がいる以上、連邦軍が駆け付けるのも時間の問題だろ。勇人は……まぁ、問題ないな。殺しても死なんやつだ」


イヴ「辛辣……」


ことり「何か、恨みでもあるんですか?」


ルルーシュ「……腐るほどな」



彼が勇人と出会った、元いた平行世界から今までの出来事を思い出し、眉間に皺を寄せて大きな溜め息が洩れた。




イヴ「……これからどうする?」


ルルーシュ「ふむ。勇人にはあまり表沙汰に動くなと言われてるからな…一先ず、白河を安全な所まで連れていく」



パチンッ、と指を鳴らすと、部屋の壁に大きな穴が現れる。


この穴は神爪家へと通じており、神爪家は島内……いや、世界中でもかなり安全性の高い鉄壁の城塞。


生徒会室も安全な場所だが、学園が戦場と化している以上、この場所が狙われないとも限らない。


そんな場所に、民間人である白河ことりを置いておく訳にもいかず、ルルーシュとイヴは穴を通り抜けて、ことりを神爪家へ連れていった。





◆◆◆



《鳳凰学園-上空-》




なのは達がプレシアと対峙している頃。





アユム「………………」




はやて達は、もう1人の七大罪…憤怒のアユム・クルルギと対峙していた。





はやて「君が、聖王教会教会騎士団の離反者やな?」


アユム「……夜天の騎士か」



包囲するように取り囲む夜天の守護騎士達と雛罌粟理菜を、冷たい瞳で一瞥し、




アユム「……まさか、お前が管理局にいるなんてな、理菜」


理菜「………アユム」




少々意外なモノを目にしたように少し目を見開くアユムと、哀しげな瞳で見る理菜に、




シグナム「知り合いなのか……?」


理菜「………幼馴染みです」



シグナムに答えた理菜の言葉を聞いて、アユムは鼻で笑い、




アユム「しかもよりにもよって夜天の騎士と…どういうつもりだ?」


理菜「………………」




その言葉に、理菜は黙りこくる。





はやて「……どういうことや?」


アユム「何だ、聞いてないのかよ夜天の騎士……いや、闇の書の主人!!」


はやて「!……そうか、君は…君と理菜ちゃんは……」


アユム「……ああ…そうだ………」




何かを悟ったようなはやて達に、アユムは憤怒の名を冠するような怒りの瞳を顕にし、





アユム「俺と理菜の家族は………闇の書に殺されたんだ!!」



その怒りの叫びに返す言葉を、夜天の騎士達は持ち合わせてはいなかった。






◆◆◆



《神爪家-居間-》




セバスチャン「………おや?」



丁度レンにミルクをやっていたセバスチャンの側に、突然居間の空間に穴が空いた。


その穴から、白河ことりを連れたルルーシュとイヴが出てきて、居間で食事をしていたキャスターや頼子は軽くギョッとする。




頼子「……どこから入って来たんですか?」


キャスター「魔術…じゃないようね………もう今更つっこまないわよ」




この家に関わると色々と不可思議を体験し、もう大抵のことには驚かなくなってきた神爪家の住人達。




セバスチャン「それで……何かあったんですか?」


イヴ「……学園に襲撃」


ルルーシュ「勇人の姿も見当たらないし、連絡もつかん。敵の目的も正確な規模不明。少々厄介だ」


セバスチャン「それは厄介ですねぇ……」



神妙な顔で唸るルルーシュ達を置いて、キャスターは穴の先から流れ込んでくる魔力を鋭敏に感じ取る。




キャスター「この気配……英霊-サーヴァント-?」






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