MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第182話 勃発する戦い
◆◆◆
《鳳凰学園高等部校舎-屋上-》
悟衛門「お前が恨みで動くような女でない事は分かっておる……目的はなんじゃ?」
ユリア「目的…大した理由はないんだけど……んー…そうねぇ……強いて言うなら私は今、世界を動かしたい。ただそれだけよ」
悟衛門「……相変わらずじゃのぉ」
◆◆◆
《鳳凰学園-観客席-》
なのは達が見上げた空に佇むのは、かつての事件の首謀者。
フェイト「………母さん」
プレシア・テスタロッサ……かつて海鳴の町で起きた事件『PT事件』の犯人。
フェイトとアリシアの母親で、犯罪者に陥る以前は時空管理局の研究者であり、稀代の大魔導師と謳われた。
だが、事故によって亡くなった娘を生き返らせようとした。
はやて「あの人が…フェイトちゃんとアリシアちゃんのお母さんなん?」
シグナム「PT事件で行方不明になったと聞いたが……」
アルフ「てゆーか……なんか、若くなってないかい?」
約8年程前に出会った時は40歳前後の風貌だったが、今はどう見ても20歳前後にしか見えない容姿をしている。
「……俺達は体内にSEEDを埋め込んだからな」
理菜「っ!?」
管理局の嘱託魔導師である、彼女の視界に入った1人の男。
アユム「8年前は魔神に邪魔されたが、今回はそうはいかないぞ」
その男…アユム・クルルギ
かつては聖王教会の騎士団に所属していた騎士。
だが、闇の書事件の際に『七大罪』という組織に離反し、騎士団を抜けた犯罪者。
そして、雛罌粟理菜の幼馴染みでもある。
理菜「アユム……」
リンディ「……あの子が、アユムくんね。8年前、騎士団を抜けた」
クロノ「………………」
デバイスを握り締めたクロノが、皆よりも一歩前に出た。
クロノ「相手は七大罪だけじゃない。次元海賊『レッドシャーク』の一派も、この島に来てる」
リンディ「元々私とクロノは、その為に地球へ降りた訳ですしね」
今回はレッドシャークと組んでいるのか、やって来た2人の七大罪の後ろには、無数のレッドシャーク海賊団員達が並んでいる。
周りに被害を出す気がないのか、そもそも何の目的でこの学園にやって来たのか。
行動の先が見えない敵に不気味さを少し感じるが、このままこの場でジッとしているわけにもいかない。
クロノ「他でも戦闘が行われているが、地球の魔法使い達が動いてるから、僕達はあいつらに標的を絞る」
リンディ「地球に私達以外の管理局員も来てるから、レッドシャークは彼らに任せて、私達は七大罪の2人を逮捕します!」
その為、時空管理局の戦力を別ける。
現在学園にいるリンディ達は七大罪を、地球の外に停泊してる船に乗っている管理局員はレッドシャークを相手にすることにした。
更にリンディは部隊を2つに分けた。
プレシア・テスタロッサと戦う部隊と、アユム・クルルギと戦う部隊。
プレシア・テスタロッサの捕縛には…高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、アリシア・テスタロッサ、アルフ、クロノ・ハラオウン、アリサ・バニングス、月村すずか。
アユム・クルルギの捕縛には…八神はやて、シグナム、シャマル、ヴィータ、ザフィーラ、リインフォース・ツヴァイ、雛罌粟理菜。
リンディ「私はアースラへ戻り、現場を指揮します!」
かつて逃がしてしまった2人の犯罪者。
8年ぶりに、時空管理局と七大罪との戦いが始まる。
◆◆◆
リボーン「……何なんだ、お前らは?」
WLAとも神魔連合とも違う、寧ろ自分と同じ匂いのする黒スーツの男達に、拳銃を構えながら問うリボーン。
「申し遅れた。私は、ガラッシアファミリーのアストンという者だ」
極寺「ガラッシア? 聞いたこともねぇファミリーだな」
リボーン「………ガラッシアファミリー」
綱吉「知ってるの? リボーン」
リボーン「少しな……勇人に聞いたんだが、確か魔法界に勢力を拡大させたマフィアだ」
綱吉「魔法界っ!?」
山本「……ニュースでも出てたよな。てことは、魔法使いってことなのか、コイツらは?」
リボーン「それは分からねぇが…基本的に人界のマフィアと遜色ないそうだぞ」
アストン「さすがはアルコバレーノ、詳しいな」
リボーン「それで? そのガラッシアファミリーとやらが、何でボンゴレリングを欲しがるんだ?」
アストン「私達のボスがトゥリニ・セッテを欲しがっていてな」
リボーン「トゥリニ・セッテを……?」
リボーンとアストンのその言葉に、綱吉達は首を傾げる。
綱吉「トゥリニ・セッテって……?」
リボーン「……俺の持つおしゃぶりや、お前達のボンゴレリングがソレだ」
笹川「リングを寄越せと言っていたな」
アストン率いるガラッシアファミリーの面々は、自分達の得物に死ぬ気の炎を灯し、
アストン「では、戦争といこうか。ボンゴレファミリー」
◆◆◆
《鳳凰学園-中庭-》
さくら「―――みんな! 早くコッチに!!」
純一「おい、ちょっと待てよ、さくら!!」
学園内で起きた争いから生徒を逃がそうと、魔法教師が各々に別れて生徒達を運び、先導していた。
さくらが引き連れてるのは、朝倉純一達と土見稟達、そしてリトルバスターズのみんな。
幻術で眠りについてる者達は、誰かが背負ったりして運んでいる。
中には何故か幻術が効いていない者も何人かいるが、何故効いていないのか、知る者はいない。
稟「一体何が起きてるんだ?」
理樹「もしかして、また無人島のときの………」
恭介「……WLA…テロリストか」
ゴールデンウィークで遊びに行った勇人の無人島で現れた、世界的に活動をしているテロリスト。
今回も奴等が仕掛けてきたのだが、
キキョウ「後、神魔連合もいるわ」
シア「そっちは多分、私達を狙ってるんだと思うけど……」
自分達の争いに皆を巻き込んでしまい、シア達は申し訳ない気持ちに駆られるが、
樹「大丈夫だよ、シアちゃん、キキョウちゃん、ネリネちゃん、リコリスちゃん、そして楓ちゃんと美少女のみんな。君たちは俺様が、命を賭けて守ってあげるよ!!」
麻弓「あーはいはい、こんなところで盛らないでよね。それに緑葉くんが守らなくても、神爪くんや土見くんや神城くんが皆を守ってくれるでしょ?」
楓「…………あれ?」
と、楓はキョロキョロと皆を見渡す。
楓「……そういえば、勇人さんと悠希くんは?」
謙吾「そういえば、見てないな」
こういうシチュエーションでは、大体何処かにいそうな2人だったが、今回はどちらも姿が見えない。
皆が校門へ駆けながら辺りを見回す。
その時、
稟「………え?」
視界に、魔力をその手に宿した神族と魔族が、襲い掛かってくる姿が、
「疾っ!!」
見えた瞬間、神族・魔族達が、突然飛来してきた何かが爆発して、吹き飛ばした。
環「皆さん、御無事ですかっ!?」
烏哭「みんな生きとるか?」
声がしてきた皆の後ろから、札を持った剣儀烏哭と、弓を携えた胡ノ宮環の姿があった。
純一「烏哭に環!?」
烏哭「朝倉、それに皆。少しジッとしとけ。直ぐ終わらせたるわ」
「―――随分な物言いだな、人族風情が」
爆発した煙の中から出てきた、一人の魔族。
大したダメージを負っていないのか、衣服が多少煤けた程度で身体は傷1つ付いていない。
烏哭「芳乃、環。お前らは皆を避難させぇ。ここは俺が引き受けたるわ」
さくら「………うん。気をつけて」
敵を引き付ける烏哭を置いて、さくら達は学園の外へ出ようと門へと走っていった。
烏哭「………意外やな、手ぇ出してくると思たのに」
「人族程度にそんな姑息な真似をする必要はないな」
烏哭「そうか」
魔族の男……グロリオーサから、高密度の魔力が発せられる。
大気が震え、烏哭の肌にそれが全身に張り付いていく。
烏哭「……大した魔力やな」
グロリオーサ「ほぅ、魔力が分かるか。噂に聞く、人族の魔法使いとやらか」
グロリオーサに続く他の神魔連合の神族・魔族達も魔力を練り始め、
グロリオーサ「………死ね」
烏哭「お前がな!!」
神魔連合の魔力弾と、烏哭が放つ呪符が、宙で激突した。
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