[携帯モード] [URL送信]

MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第170話 武闘会祭本選開始





◆◆◆



《鳳凰学園-学園長室-》




レオンハルト「……神城悠希が?」


学園長「うむ……今朝、桜並木道の傍らで発見された」



学園長室に集まる、この鳳凰学園に勤務している魔法教師達。


彼らは皆、人界の“裏”の魔法使いで“表”の魔法使いや一般人達には存在を秘匿にしている者達。


彼らの存在は、神王と魔王すら知られていない。




「相手はヴァルドール……いや、アカシャの蛇ですか?」


レオンハルト「いや、そう判断は出来ない。ヴァルドールの部下や、神爪勇人が捕らえた次元海賊の仲間という可能性もあるし、今の初音島には厄介事が多すぎる。ヴァルドールが何か企んでいるのは確かだが」


「やはり試験…武闘会祭を中止して、ヴァルドールを始末すべきでは……」


学園長「いや、奴はレオンハルトに自分の存在を態々明かした。存在を明かせば警戒されるにも関わらず、この学園に世界各国の首脳の方々や、その方達が率いる戦力が一同に集うこの時にな」


教頭「どういうことだ?」


学園長「ヴァルドールは元“魔導十賢者”。単身で国を落とすほどのやつじゃ。おそらく魔連を抜けてから、どの組織も目を付けておった魔導師。その上、都合よく魔連に恨みを持っておる…どの組織も欲しがるだろうな」


英子「……確かにそうかもしれませんが、あの男は“九天魔人”……犯罪者とはいえ、世界政府と同盟を結んでいます。もし今、この初音島で事を起こすようなら“表”“裏”の人界、神界・魔界を問わず、世界中から狙われることになりますが」


教頭「いくら奴が元“魔導十賢者”とはいえ、世界中を敵に回すようなマネはしないとワシも思うが?」


学園長「……魔連は様々な魔法組織が集って出来上がった組織。じゃが、人界で魔連に加わっているのは、生粋の魔法使いは少なく、大概は魔術師や一般人じゃ……魔連を快く思ってない者が少なくないことは、皆も知っておるじゃろう」


「まさか、魔術結社や聖堂教会がヴァルドールと組んで…魔連を裏切るとでも?」


学園長「………………」


レオンハルト「魔術結社や聖堂教会とは確かに同盟を結んでるが、同盟なんてのは強制契約書-ギアス・ペーパー-を使っても、口約束と大してレベルは変わらんからな。かつての戦争がそうだったように……」


学園長「……とにかく今は情報が少なすぎる、余計な勘繰りは止めじゃ」


教頭「既に世界各国へ情報収集に隠密科を走らせとる。迂闊に動くのは危険だろうな…そこに狙いがあるやもしれん。それに神爪勇人の要請で、総帥がこの学園に来る。さすがのヴァルドールも、総帥を相手にするようなマネは避けるだろ」


学園長「それに、ワシはお主らを信頼しておる。有事の際は、学園の戦力を総結集し……存分に戦ってもらうぞ!!」





◆◆◆



《鳳凰学園グラウンド-観客席-》



そして時は戻り、現在。



グラウンドに設置されたフィールドを囲むように出来てある観客席で、土見稟は芙蓉楓、八重桜、緑葉樹、麻弓=タイムらと一緒に観戦しようと談笑していた。




稟「シア達もここで観れれば良かったんだがな……」


麻弓「仕方ないんじゃない。神王様や魔王様と一緒に、神界・魔界の代表者として向こうに居なくちゃならないみたいだし」



麻弓が向けた視線の先に、リシアンサス、キキョウ、ネリネ、リコリスの4人は、神王・魔王と一緒に特別席に座っている姿が写る。


特別席は一般の観客席とは違い、世界各国の首脳等が鎮座する席であり、フィールドが観やすい高い位置にあった。




楓「テレビで見る人達が何人もいますね」


樹「神王様と魔王様をはじめ、日本の総理大臣や、アメリカの大統領。地球連邦軍の軍人とかもいるみたいだね」


稟「そうなのか?」


桜「稟くん…テレビや新聞、ちゃんと見てる?」


稟「失敬な。ちゃんと見てるぞ、ヘキ●ゴンとか世界まる●えとか」


樹「……ニュースとか見てる? ていう意味で聞いたと思うんだけど」






◆◆◆



《鳳凰学園グラウンド-特別席-》




学園長「……ヴァルドールやロアの気配はどうじゃ?」


英子「本部から派遣された隠密科数名のチームで以前捜し回っていますが、気配は全く。レオンハルトがヴァルドールと遭遇した旧校舎も調べてみましたが、やはりもぬけの殻です」


学園長「……神城悠希の容態は?」


英子「治癒術師が数名で治療し、怪我は完治したそうです。まだ目を覚ましてはいませんが、命に別状はありません」


学園長「そうか………」




生徒の安否を確認出来ただけでも良い情報だったか、学園長は一つ息を吐く。



そんな学園長の横に、




根岸「……そうですか、悠希は無事なんですね?」



と、一人の男が席に座りながら声をかけてきた。




学園長「おぉ、これはこれは……根岸総理大臣!」


根岸「悠希が世話になっているようで」



爽やかな微笑を浮かべるは、この日本の総理である男…根岸。


まるでライト級のボクサーのような引き締まった細い身体をしており、総理大臣よりは寧ろスポーツ選手といえばアッサリと信じてしまうような、そんな風貌の男である。




学園長「……では、そろそろ始めますかの」



特別席に全ての要人が座ったことを確認し、拡声器を使って学園内に設置されているスピーカーを通し、




学園長「えー、皆様。この度は鳳凰学園武闘会祭にお集まり頂き、誠に有り難うございます!! これより武闘会祭本選試合を始めたいと思います! どうぞ最後まで御覧下さい!!」





―――今、本選が始まった。







[*前へ][次へ#]

7/17ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!