MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第169話 神城悠希VS???
◆◆◆
《初音島-桜並木-》
「フ……学生がこんな時間に、1人で何をしているのかね?」
鳳凰学園へと向かう桜並木の道へ出たが、相手の動きは速く、とても逃げ切ることが出来ないと判断した悠希は、
悠希「……やるしかないか」
いつもなら愛用の拳銃を所持しているのだが、今はコンビニの帰りであるため、服装はラフ。
何の武装もしていない悠希は、仕方なしに徒手空拳で覆面の男に戦いを挑む。
悠希「………“瞬脚”」
悠希の姿が、覆面の男の視界から消えた。
「ほう……」
たが男の顔に焦りの色はなく、むしろ今の状況を楽しんでいるようで、
悠希(―――その余裕の顔、消してやるよ)
覆面の男の背後へ高速スピードで回り込んだ悠希は、その背に向かって、
悠希(―――撃拳っ!!)
右拳を叩き込んだ。
拳が男の背に深くめり込む。
酷く鈍い音が響く。
あきらかに骨が砕けた。
拳が当たる直前に身体を少し逸らしたのか、背骨には当たらず、肋骨辺りに直撃している。
もしかしたら、折れた骨が内臓を傷つけたかもしれない。
だというのに、
「今の拳打と移動術、連邦軍で使われている暗殺術“羅刹”だったか。流石は、その若さで総理直属の騎士を務めているだけのことはある。己の得物を使わずとも、この戦闘力とはな」
悠希「効いてないのかっ!?」
一旦距離をとろうと後ろに跳ぼうとするが、
悠希「っ!(手が…抜けないっ……!?)」
どれだけ身体に力を入れようとも、男にめり込んだ拳は一向に抜ける気配がない。
「その年で見事な拳打だ……だが、軽いな。本来ならその技は、相手の身体を大破させるほどの破壊力があるはずなのだが」
男は、自らの身体に突き刺さっている悠希の腕を掴み、逃がさないように力を入れる。
「教えてやろう、本当の拳打というものを」
覆面の男は、悠希の腕を掴んでいる手とは反対の手の拳を固く握り、悠希の身体へ放った。
悠希「……! これはっ!?」
拳が、悠希の腹部に直撃する。
◆◆◆
悠希「―――――――」
翌朝、全身を血塗れにして倒れている悠希が、鳳凰学園の魔法教師に発見された。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!