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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第156話 六道骸





◆◆◆




《神爪家-勇人の部屋-》




勇人「………あん?」



既に空は黒に染まり、月や星が小さく灯りを照らしている時間帯。


そんな夜に、勇人は学園から奇妙な気配を感じ取った。





勇人「……何だ? この懐かしいような、そうでもないような曖昧な気配は………?」



学園なら何が起きても、学園長や魔法先生達が手をうつだろうからあまり心配はしていないが、まだロアの動きもない今、無性にその気配が気にかかり、




勇人「……しゃあない、行くか」




いつもの漆黒のロングコートと帽子を被り、部屋の窓を開け、そこから学園へと飛び立っていった。






◆◆◆




《鳳凰学園-体育館-》




この誰もいないはずの時間帯にも関わらず、体育館には明かりが点いており、そこでは1つの戦いが終局していた。





勇人「リボーンの言っていた、ボンゴレリング争奪戦か」


リボーン「お、来てたのか勇人?」



体育館の出入口から入ってきた勇人に気づいた赤ん坊……リボーンが、片手を上げて挨拶した。


突然現れた勇人に「アイツ誰だ?」的な視線を他の連中は向けるが、勇人は特に気にもせず、この場所での戦いに勝った男へと視線を向ける。





骸「……おや、久しぶりですね」


勇人の視線に気づいた男……『六道骸』は、そんな勇人に歩みよってくるが、「久しぶり」と言った男に対して勇人は、




勇人「……誰だ、お前?」



等と言った。


だが、直ぐに訂正するように口を開く。





勇人「……いや、知っている気配に似てはいるが、姿が違うか」


骸「クフフフ………」



その言葉に、勇人が何を考えているのかが分かった骸は薄く笑った。





骸「姿が違うのは、アレは僕の肉体ではなかったからですよ。あなたとは“クリステラソングスクール襲撃事件”の際に、戦ったはずです」


勇人「……………」




クリステラソングスクール襲撃事件



通称……六道事件




海鳴市でそう呼ばれた事件が約8年程昔に起き、勇人はそれを解決した人物の1人だ。




勇人「お前……まさか六道か?」


骸「リクドウではありません、僕の名はロクドウ…六道骸。あなたと戦った彼は、僕が宿っていた“鬼瓦朱景”という男の身体ですよ」


勇人「……どういう意味だ?」


骸「クフフフ……僕は他人の肉体を乗っ取ることが出来るのです。彼は僕にとって最高とも言うべき器だったのですが、復讐者-ヴィンディチェ-に囚われてしまいましてね。まぁ、僕も囚われてしまったわけですが……」


勇人「じゃあ何故ここにいる?」


骸「それは………」



喋ろうとしていた骸の身体から、突如霧が出てくる。


その霧が骸の身体を覆っていき、身体の色素がドンドン薄れていく。





骸「……あぁ、限界のようですね」


勇人「…………!」


骸「神爪勇人、この娘を………」




言葉が途切れ、突如骸の姿が男から少女に変化した。


姿が変わったのと同時に、身体を纏っていた霧が霧散し、少女の身体はグラリと前のめりに倒れてしまう。


その身体を、勇人は危なげ無く抱き止めた。





勇人「……気配が完全に変わった。この嬢ちゃんも、六道……鬼瓦朱景と同様、器として乗っ取られてたのか」



六道骸から少女へと姿が変わったのを見て、また周りの人間達がザワメキ立つ。




「犬、行こう」


「うい」



この少女……“クローム髑髏”と同じ制服を着た、少女の仲間とおぼしき二人の男は、クロームを置いて立ち去ろうとする。


それを見かねた少年……沢田綱吉は、二人……犬と千種を呼び止めた。





ツナ「ちょ、この娘放置ですかっ!?」


犬「起きりゃ自分で歩けんだろ? その女ちやほやする気はねーし、そいつは骸さんじゃねーからな」



等と言って去って行った。


少女を抱き止めたままの勇人は、さてどうしようかと思考し、




勇人「……よっと…………」



少女を抱き抱えた。





リボーン「勇人、クロームを任せていいか?」


勇人「ま、ほっとく訳にもいかねーからな、構わねーよ。だが、どーいう状況なのか、ちゃんと説明しろよなぁ」


リボーン「心配すんな、明日も夜に学園で争奪戦するからな。その時に話すぞ」


勇人「……つーか、ゴールデンウィークで誰もいないからって、勝手に学園で暴れてんなよなぁ」



この体育館にいる、争奪戦を仕切っていると思わしき二人の女性に呆れた視線を軽く向け、勇人はクロームを抱えて自分の家に帰っていった。





◆◆◆




ツナ「さっきの人、うちの学校の総会長だよな。リボーンと知り合いなのかよ?」


リボーン「ま、昔ちょっとな。獄寺も勇人と知り合いのはずだぞ」


ツナ「Σえっ、そうなの?」


獄寺「ええ、まぁ。以前、イタリアに住んでた頃に少し世話になっていて、ボンゴレ9代目同様、俺にとっちゃあ恩人っす」


ツナ「……もしかして、あの人もマフィアなの?」


リボーン「いや、マフィアじゃねーぞ」


ツナ「そ、そうなんだ…よかった〜……ウチの学園の生徒会長がマフィアのボスとかだったら、ホントどうしようかと―――」


リボーン「勇人はマフィアじゃなくて、魔連と深く関わりのある魔導師だからな」


ツナ「Σ普通の人じゃねーのかよっ!? つーか、魔連って……あの魔連!?」


リボーン「ああ、人界の魔法使いを束ねている組織……てこと位は、学校の教科書にも載ってんだろ」


ツナ「……お前、何でそんな人と知り合いなんだよ?」


リボーン「秘密だ」( ̄ー ̄)


ツナ「……………」







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あきゅろす。
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