MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第155話 日がな1日
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《朝倉家-リビング-》
純一「………ふぁ〜」
勇人の無人島への旅行から帰ってきて、残りのゴールデンウィークをどう過ごそうかと、今朝目覚めてベッドの上で思案していたが、結局いつものように日がな1日リビングで欠伸を噛み締めダラダラしながらテレビを観ている純一。
音夢は今日美春の家へ遊びに行き、さくらは私用で休みにも関わらず、ご苦労なことに学園へ行っており、杉並の陰謀に巻き込まれるでもなく、今日は珍しく平和で怠惰な1日を過ごしていた。
テレビを観ながら純一は、自分の右手に一瞬視線を移す。
稟が封印を解き放ち、魔法陣から発生した閃光がアリサとすずかに直撃した直後、エレメントというモノが現れた。
その閃光に純一も当たっていたのだが、今のところ身体に変化はない。
恭介や理樹達、あの時城にいた一部の者達も閃光を浴びたようだが、何かしらの変化が起こったのはアリサとすずかの2人だけである。
アースラで色々と調べられたが、その時も特に何もなかった。
純一の体内に保有している魔力が尋常じゃないくらいに高く、リンディに時空管理局へスカウトされたくらいだが、本人には割りとどうでもいいことであった………。
◆◆◆
《神爪家-勇人の部屋-》
勇人「―――……そうか、分かった。じゃあ悪いが、仕事が終わりしだいコッチに合流してくれ」
部屋の子機電話を切り、パソコンに送られてきたデータを眺めながら、机に置いてある葉巻の束から一本取り出し口にくわえ、発火能力で着火し紫煙を吸い込む。
セバスチャン「クレス様からですか?」
そんな勇人に、盆の上に乗せた茶菓子を持ってきたセバスチャン。
茶菓子を机の上に置きつつ、勇人が見ているパソコンの画面をセバスチャンも覗き見る。
セバスチャン「……神界と魔界の政府・軍部のリスト、ですか?」
勇人「ああ。この間の一件に関わった、反神魔連合に所属していると思われる人物達のリストを、調べて送ってもらったんだが……」
勇人は心底めんどくさそうに眉間に皺を寄せ、セバスチャンが淹れた紅茶を飲みつつ、口から取った葉巻で画面を指した。
その画面に書かれているリストを見て、
セバスチャン「……これは、厄介そうですね。ユーストマ様とフォーベジイ様には、既に話されたのですか?」
勇人「いや、まだ確証はないからな。誰にも喋るなよ?」
セバスチャン「はい」
何とも面倒なことになるのが高い確率で起きそうで、勇人同様、セバスチャンも嫌そうな顔をした。
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