MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第154話 勇人の休日
◆◆◆
《喫茶店-アストラル-》
勇人「……なんつーか、数日抜けただけで人数増えたな」
無人島から帰ってきた翌日、いつものように定位置の店長席にふんぞり反りながら、フロアとキッチンにいる店員を眺めて勇人は呟いた。
音尾「白藤さんが面接してくれたんだけど……」
そんな勇人の横から、この店のマネージャーである音尾は、疲れた顔をしながら勇人に新しく入ってきた店員達の履歴書を手渡す。
『相馬博臣』18歳
『種島ぽぷら』15歳
『伊波まひる』15歳
『松本麻耶』16歳
それらの履歴書を目で流し読み、
勇人「……キッチンやフロアに人数が入ったのは良いんだが、また個性が強そうな奴等が集まったもんだ。普通のやつが見当たらねぇ」
音尾「あの……松本さんは?」
勇人「これだけ普通普通言ってて、普通に異様なまでにこだわりを見せてたら充分普通じゃねぇだろ」
音尾「ははは………」
溜め息を吐く勇人に同意するように、音尾も渇いた声を上げるだけだった。
◆◆◆
《神爪家-玄関-》
仕事も終わり、時刻は夕方。
勇人「ただい……」
家に帰ってきて玄関の扉を開けると、
―――ドンガラガッシャーン!!
と、何か色々倒れたり壊れたり割れたりする音が、いっしょくたになって家に響き渡る。
頼子「ふぇぇ……ご、ごめんなさい〜………」
奥のキッチンから微かに聞こえてきた泣きじゃくってるような声が聞こえてきて、勇人は「ああ、またなんかやったのか」と半眼で息を吐く。
イヴ「……勇人、お帰りなさい」
帰ってきた勇人の出迎えに、玄関までイヴが二階から降りてきて、
勇人「ただいま……で、一体何の騒ぎだ?」
と、聞いた。
イヴ「……ケーキ作ってた希を手伝ってたら、頼子が………」
勇人「あー……もういい、大体分かった」
勇人はどんな展開が起きたのか容易に想像がつき、話すイヴを制止する。
そして、本日何度目かわからない溜め息を吐いて、
勇人「やれやれ……」
と、呟く。
何処に行っても、何時になっても、静かに過ごせそうにもなく、またまた深く溜め息を吐いたのであった。
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