MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第153話 エレメント
◆◆◆
なのは「―――……それってつまり、アリサちゃんとすずかちゃんが魔導師になっちゃったってことですか?」
勇人とクロノが部屋から出て、リビングへ向かっている頃。
アリサやすずかが纏っていた鎧兜、稟が抜いた大剣等の説明をリンディから受けていたなのは達。
まず一般人である純一や雄真達に、時空管理局や次元世界のこと等を説明し、今は稟が解いた封印について、リンディが勇人から聞いたことを説明している。
リンディ「厳密に言うと、ちょっと違うの。確かに、封印を解いて2人の潜在魔力が解き放たれて、魔法を使えるようにはなったけど、アリサさんとすずかさんが使っていたのは“エレメント”と呼ばれる力らしいわ」
フェイト「エレメント……?」
リンディ「ええ。属性の力を備えた精霊と融合することで、その力を使うことが出来るらしいの」
はやて「ユニゾンみたいなもんやろか……?」
この世界に存在する精霊の力を借り、属性の加護を得て、その力を行使出来る。
世界創世に関わった神具の一角を担うもの。
リンディ「勇人が言うには、エレメントは炎・水・雷・風・地・氷・樹・空・光・闇の、10の属性があるらしいわ。アリサさんとすずかさんのエレメントは、炎と空だそうよ」
フェイト「アリサが出してたあの炎は、そのエレメントってものなんだ」
理樹「……そのエレメントって、2人が持ってた水晶のことなの?」
恭介「おそらくそうだろうな。解き放たれた封印から飛び散ったあの閃光が、エレメントと呼ばれる力だったんだろ」
リンディ「あ、それも厳密に言うと違うの」
したり顔で説明する恭介の言葉に、リンディがやんわりと訂正の声を挟む。
リンディ「何でも、あの場所に封印されていたのはエレメントだけじゃないらしいの」
謙吾「他にもまだあったのか……」
リンディ「エレメントの他には“刃輝”“プラーガ”“ビーストアーム”“ヴィヴリオ・マギアス”……判明しているのはまだエレメントも含めて5つだけど、他にもまだ最低でも7つの神具が、あの場所に封印されていたそうなの」
シグナム「そんなにあるのか!?」
ヴィータ「何だってそんなもんが地球の無人島にあんだよ?」
リンディ「さぁ、そこまでは……勇人はそれ以上何も話さないし」
ヴィータ「……アイツ、秘密も大概にしやがれってんだよな」
シャマル「今さらのような気もしますけど……」
ザフィーラ「うむ」
あの信頼はしていても、信用は一切されていない、金髪黒依の鬼畜眼鏡である勇人という人物に秘密が多すぎることに悪態を突きながらも、まぁいつものことと半分諦めきっているなのは達。
稟「あの……俺のコレも、エレメントってやつなんですか?」
稟が、首からぶら下げている剣型のネックレスを手で弄りながら聞いた。
封印を解き放った後、稟が持っていた大剣が突然、ネックレスに変化して稟の首に掛けられたのだ。
リンディ「いえ、それは“テスタメンツ”と呼ばれる大剣らしいわ」
稟「テスタメンツ……」
リンディ「それの詳しいことは、私も聞いてないの。ですから、詳しいことは後で勇人に説明してもらってちょうだい」
稟が封印を解き放った奇妙な大剣。
その大剣は、剣の刀身に様々な文字のような紋様が描かれており、更には切っ先というものが無く、長方形のような形をした大剣だった。
その大剣に書かれている謎の文字を、誰にも読むことは出来なかったのだが、
稟(……何故だろうな。読めないはずなのに、何故か“理解”出来そうな気がするのは)
一夜の戦いが終わり、日常へと帰る皆。
だがこれは、長きに渡る戦いの序曲を奏でていたモノに過ぎなかった。
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