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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第150話 EREMENTAR,UP!!





◆◆◆




ハヤテ「―――――!?」




眩い光が窓の外から射し込み、目を向けると、外から一筋の閃光がハヤテに向かって伸びてきた。



その閃光がハヤテを照らし、その光がハヤテの手のひらに収束していく。





ハヤテ「………何ですか、コレ?」




ハヤテのその手には、碧色に輝く、ビー玉程度の大きさの石があった。






◆◆◆




アリサ「―――……ちょっと、何よ、コレ」




稟が地面に突き刺さっていた剣を引き抜くと、突如地面に描かれている魔法陣が強く光だし、その輝く閃光が、この場にいる者達の一部に降り注ぎ、





純一「………ビー玉?」




その手のひらには、各々に色の違うビー玉のような水晶が握られていて、






理樹「熱っ!?」




まるで消えかけの蝋燭の火のように、それらは一瞬強い光と熱をもって、各々の手に吸い込まれたように消えていった。







秀吉「………何だったのじゃ、今のは?」


準「みんな、なんともないの?」



みんなに向かって飛び散った閃光だが、ここにいる全員に光が当たった訳でも、ビー玉のようなものが手の中に入り込んだ訳ではない。



この場にいる面子で先程の光を浴びたのは、朝倉純一、棗恭介、直枝理樹、宮沢謙吾、井ノ原真人、来ヶ谷唯湖、アリサ・バニングス、月村すずかの8人。


そして、地面に突き刺さっていた大剣を抜き放った、土見稟。





他のみんなは、光に当たった純一達の身を案じたが、特に何か変わった様子はなかった。






―――ドガアァァァァァっ!!





すずか「何っ!?」



大爆発の轟音と共に、洞窟が大きく揺れる。


みんなは洞窟の入り口付近に戻り、外の様子を伺った。






◆◆◆




なのは「………っ………」




杖となっているレイジングハートを地に突きながら、ヨロヨロと立ち上がるなのは。


その出で立ちは、既にボロボロである。


なのはだけではない、この場に留まって戦っているフェイトやはやて達も、既に満身創痍であった。




フェイト「……この人、強い………」


はやて「……ウチらが、魔法をロクに使えんことを、差し引いてもな………」




なのは達が戦っている男、今回襲撃してきたWLAの部隊長的な男は、此処等一帯にAMFを展開して、魔法を使えなくしている。


魔法がロクに使えず、苦戦は必死だったが、それでも今まで培ってきた全てを出して善戦していたが、それでも目の前にいる男には歯が立たなかった。






河道「……これが時空管理局という組織の力か。魔法を封じなければ、俺が殺られていただろうな」



言って、河道は手に握る拳銃をなのは達に向け、





河道「……だが、これで終わりだ」




その鈍く黒光りする拳銃の引き金に、人差し指をかけた。






◆◆◆




アリサ「なのはぁっ!!」


すずか「フェイトちゃん、はやてちゃん!!」



外の様子を見て、洞窟から飛び出そうとするアリサとすずか。




雄真「おい、待てって!!」


雄二「今出てってどうすんだっ!?」




そんな2人を、後ろから羽交い締めにするように止める。


他のみんなも、落ち着くように2人を宥めようとするが、




アリサ「離しなさいよ!! あのままじゃ、なのは達がっ!!」


準「だからって、飛び出してどうするのっ!?」




みんなの説得を聴かず、ジタバタと暴れるアリサとすずか。


そんな2人を見て、





真人「……へっ、しゃあねぇなぁ」


謙吾「……このまま、みすみす捨ててはおけん」



拳を鳴らす真人と、竹刀を握る謙吾が、アリサとすずかの前に出る。





理樹「ちょっと2人とも、何する気?」



既に何をしようとしているのか、この2人の幼馴染みである理樹と恭介には、態々聴かずとも分かっている。


だがそれでも、理樹は敢えて聴いた。





謙吾「その2人が行くよりは、俺達が行った方がまだ生き残れる可能性はある」


真人「さっきのトランプ野郎には全く勝てる気がしなかったが、相手が拳銃持っただけのただの人間なら、まだやれる」


理樹「拳銃だけでも充分危ないよっ!!」


真人「心配すんな、理樹。俺の筋肉に、鉛弾なんざ通じねぇぜっ!!」


謙吾「勇人じゃないんだから、流石にそれは無理があるだろ」



これから死地に赴こうとするも、軽口を叩く謙吾と真人。


今正に、拳銃の引き金が引かれ、撃たれそうになっているなのは達を助けるため、謙吾と真人は駆け出そうとする。














「―――いえ、貴殿方が向かう必要はありません」



突如、女の声が辺りに響く。




アリサ&すずか『っ!?』




2人の右手に、丸い痣がのような紋様が浮かび上がり、そこから、先程吸い込まれた水晶のようなモノが出てきて、小さく光る。



アリサの手からは赤い水晶が、すずかの手からは群青色の水晶が浮かび上がる。




「……力が欲しいか?」




そして赤い水晶からは、炎の衣を纏った女性が、群青色の水晶からは、紫色のドレスを着た女性が現れる。


その2人の女性は、ほんの15p程度の大きさしかなく、宙に浮かんでいた。






アリサ「……何なのよ、アンタ達……?」


沙羅「我が名は、沙羅。火の精霊、サラマンダー」


リスティ「私は、空の精霊、クリスティア。名はリスティ」


すずか「……精霊………?」




いきなり妖精みたいなモノが現れて、虚を突かれるみんなだが、こういう不可思議な魔法的な現象に出会した経験のあるアリサ達は、直ぐに頭を整理して、精霊と名乗る2人に言った。





アリサ「沙羅って言ったわね。力が欲しいかって、どういうことよ?」


沙羅「そのままの意味です。あの者達を救いたいのであれば、私達と契約するのです」


リスティ「1から説明したいのは山々なのですが、貴女方に、そのような時間はないのでしょう?」


すずか「………はい!」




精霊の言葉に、すずかとアリサは強く頷く。







《挿入歌・宮崎歩:Break up!》





リスティ「私達の力なら、AMFの効力は効きません」


沙羅「唱えなさい、叫びなさい。私達の力を顕現させる、その言葉を」




アリサとすずかは、各々の水晶を空に掲げ、叫んだ。




アリサ&すずか『Erementar,up!!』



水晶が強く輝き出し、2人が光りに包み込まれる。





沙羅&リスティ『Armor,Evolution!!』




2人を包み込む光りの中で、沙羅とリスティは、アリサとすずかの体内へと溶け込み、融合する。



そして、眩い光りが辺りを照らし、光りは徐々に収束していく。



収束し、光りが消えたその場所には、





軽装な炎の鎧兜を身に纏ったアリサと、機械的な鎧兜を身に纏ったすずかの姿が、そこに在った。








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