MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第149話 解放された封印
◆◆◆
遠くから銃声が静かに響く暗い廊下を、ローブを深く被っている女性…キャスターは、指先に魔法陣を展開しながら歩く。
キャスター「……何で私がこんなことを」
不貞腐れながらも、キャスターはマスターである勇人の命令通りに仕事を遂行していた。
それは、各部屋にいるみんなの扉に、防御と認識阻害の魔術を設置し、部屋から出なければWLAに狙われることが無い仕掛けを施したのだ。
……AMF-アンチ・マギリング・フィールド-を発動されたら使えないのだが、勇人はWLAがAMFを使っていることに気付いていない。
キャスター「……………!」
廊下を静かに歩いていたキャスターは、ふと窓の外に顔を向けた。
不思議な魔力の流れを、城の外から感じ取ったのだ。
キャスター「……何、この魔力は?」
◆◆◆
貴明「……何なんだ、コレ?」
みんなは純一が見つけた大きな剣、その剣が突き刺さっている地面には妙な形をした魔法陣……正確には1つの円を中心に、囲むように『六芒星-ヘキサグラム-』が描かれ、更に六芒星の魔法陣を囲むように、大きな『五芒星-ペンタゴン-』が描かれ、それを囲む更に大きな円が描かれている。
向坂「……なーんか、アレに似てねーか?」
雄二「何だよアレって?」
恭介「………ゼ●ダの伝説か?」
明久「あー…確かにマ●ターソードっぽいよね、トラ●フ●ースも無いし、剣も全く似てないけど」
リト「まぁ、言われてみれば勇者の剣みたいだよな」
地面に描かれている魔法陣に突き刺さってる大剣を見て、
恭介「……コレ、抜いてみないか?」
と、恭介が言った。
もう何か、テロリストに追われているこんなヤバい状況にも関わらず、まるで少年のように目をキラキラさせて、言った。
恭介「きっと選ばれし勇者がこの剣を抜いて、悪を成敗するはずだっ!!」
真人「その根拠はなんだよ?」
恭介「だっていかにも魔法関係な剣だろ、コレ!!。それも勇人が買った無人島にあるんだぜ!? 何かあると思うだろ!!」
みんな『確かに………』
勇人が道楽で無人島を買い取ったと思っていたが、こんな意味ありげな剣が島にあれば、この剣を他者に渡さない為に無人島を態々買い取ったと考えるほうが自然である。
………まぁ、買い取った無人島に偶々意味ありげな剣があった、とも考えられるが。
恭介「ま、ヤバい状況には違いないんだし、やって損はないだろ?」
その言葉にみんなは頷き、まずは、と、恭介は緊張した顔で、剣を握った。
恭介「………行くぜ!!」
強く握り、一気に剣を地面から引き抜こうと………
恭介「……ぬ、ぬぬぬ………」
―――抜くことは出来なかった。
自分では剣を抜けないと判断し、恭介はガックリと地面に膝を着き、
恭介「……俺は…選ばれし勇者じゃなかったのか………」
めっちゃ落ち込んだ。
謙吾「……まぁ、恭介は置いといて、みんなも引け」
恭介に続き、謙吾が剣を抜こうとするが、びくともしない。
真人が自慢の筋肉を持ってしても剣を抜けず、かなり落ち込んだが、みんなはスルーして次々と剣に手を伸ばし、剣を引き抜こうとする。
だが、剣は一向に抜けない。
やっぱり抜くことは出来ないのか、とみんなが思った瞬間、
稟「………あれ?」
剣に手をかけた最後の1人、土見稟が、いとも簡単にアッサリと、地面に突き刺さっている大剣を抜き放った。
―――――瞬間、
純一「Σうおっ!?」
恭介「何だっ!?」
剣が刺さっていた箇所に描かれている魔法陣が、突如強い光を放ち、洞窟内を明るく照らす。
そして、魔法陣から幾多もの光の珠が、流星のように辺りに散り、ある光は人間に向かって、それ以外の光は洞窟の外に出て、空へと昇っていった。
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