MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第146話 烏哭VSウィラード
ウィラード「魔神が見付かるまではおとなしくしてようかとも思ったけど、WLAのみんながあまりにトロいからさぁ、少し遊んでもらうよ♪」
稟「………っ…………」
この男、ウィラードに追い詰められるまで、棗恭介の提案で遊んでいた皆は、WLAの連中に追い掛けられていた。
銃器を向けて襲い掛かってくる大勢のWLAを、たった1人で片付けてしまったウィラード。
助けてくれたのかと思ったが、そんなに甘くはなかった。
「……テメェ、自分が何やったかわかってんのか?」
まだ倒されていないWLAの1人が、血塗れで殺された仲間を見やりながら、
「協力者だか何だか知らねーが、こんだけ仲間がやられて黙ってられるかっ!」
「やっちまえ!」
次々と仲間達と一緒に、銃口をウィラードに標準を合わせて戦意を向ける。
ウィラードはそんなWLAを見やり、
ウィラード「そうだなぁ……」
一枚のトランプなカードを取り出し、
ウィラード「君達まとめて、これ一枚で充分かな♪」
死神が描かれているジョーカーを手に、薄ら笑いを浮かべた。
その挑発としか言えないウィラードの笑いに、WLAのメンバーは一斉に銃器の引き金を引き、けたたましい銃声と共に、ウィラード目掛けて弾丸を放つ。
ウィラード「くくく………」
薄ら笑いを口元に浮かべながら、自身に降り掛かってくる弾丸の嵐を、ウィラードは苦もなく避ける。
まるで飛んでくる場所がわかっているかのように、余裕綽々で弾丸を避ける。
弾丸を避けながら、ウィラードは銃器を手にする者達に接近し、
―――――――ザシュッ!!
―――――ドシュッ!!
――――シュパッ!!
その手に、指で握っているトランプのジョーカーで、相手の頸動脈を切り裂き致命傷を与えた。
ウィラード「くっくっくっ……」
まるで名刀のような切れ味を持つ、血が滴ったカードを手に、
ウィラード「あっはっはァァァァァァァァァァァァァ♪」
次々と、躊躇なく相手を切り殺していく。
◆◆◆
ウィラード「ん〜…やっぱり退屈♪」
この場にいたWLAは皆、頸動脈を切り裂かれ、既に息絶えた。
物言わぬ肉塊を眺めて後、ウィラードは視線を稟や純一達に向けて、
ウィラード「さて、次は君達と遊ぼうかな♪」
その声に、一歩後ろに下がる皆。
ウィラードはソレにあわせるかのように、一歩、足を前に進める。
烏哭「………しゃあないな」
下がり続ける皆の前に、今まで沈黙していた剣儀烏哭が、一歩前に出た。
加奈子「烏哭くん!?」
烏哭「コイツの相手は俺がしとったる。せやから皆は早よ逃げぇ!」
真人「はぁっ!? お前、銃持った奴等をトランプでブチ殺した、あんなイカれた奴相手にどーするってんだ!?」
真人の言うことも最もだ。
此方が全員マシンガンを持っていたとしても、まず勝ち目がないことを、みんなは悟りきっている。
真人に続き、他のみんなも烏哭の無謀さに制止の声を呼び掛けるが、
純一「いや、ここは烏哭に任せよう」
ただ1人、純一はそう言った。
雄真「朝倉、お前、何言ってるんだ!?」
理樹「殺されに行くようなものだよっ!?」
純一「烏哭なら大丈夫だ!」
非難の声を上げるみんなに、それでも純一は自信ありげにそう言った。
純一は知っているのだ。
いや、純一だけではなく、この場にいる者では純一以外にも、佐伯加奈子と森川智子も知っている。
この剣儀烏哭は、普通の人間ではないということを。
烏哭「朝倉の言う通りや、俺1人なら問題あらへん。せやから早よ行かんかい!」
烏哭の声に、みんなは渋々と、ゆっくりと後ろに下がり、駆けていった。
烏哭はそんなみんなを背に、目の前の男を先へ通さないように、視線をウィラードから外さずに臨戦体勢を取る。
ウィラード「んー、なるほど。君が遊んでくれるんだね? でも、君1人で大丈夫かい♪」
烏哭「あんまナメてくれんなや、殺人狂」
烏哭はズボンのポケットから、数枚の札を取り出した。
それは、白い紙に黒い墨で文字や紋様が描かれている、呪符である。
ウィラード「……君、陰陽道の魔術師か何かかい?」
烏哭「そんなとこや」
両の手に握った呪符を掲げ、
烏哭「魔連が特務科所属、class:A、剣儀烏哭……行くで!!」
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