MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第142話 気づかぬ者達
◆◆◆
《10の部屋》
悠希「……………」
同じ部屋で泊まっている楓を起こさないように、静かに部屋を出る悠希。
愛用の装飾銃を手に、辺りを警戒しながら廊下を歩く。
悠希「……妙な敵意を向けた気配があるから動いたけど、この城の警備はどうなってんだ?」
慎重に、自分の気配を殺して、足音を立てずに静かに歩く。
この手の仕事をこなしているとはいえ、それでもこれほどの多数の敵の気配を感じたのは、数年前に起きた『世界会議-サミット-襲撃事件』以来である。
悠希「……先輩達も気付いたか?」
こういう仕事の先輩である2人の姿が頭を過るが、夕方の宴で神王魔王と共に酒でベロンベロンに酔っぱらっていることを思いだし、
悠希「ぜってー酔いつぶれてんだろうなぁ……」
深々と溜め息を吐きながら、悠希は静かに2人を起こしに行った。
◆◆◆
《広間》
恭介「……よし、ある程度は揃ったな」
今、この城に侵入者があることなど露知らず、広間に集まっていた恭介達。
理樹「急にどうしたのさ、みんなを集めて」
鈴「私達、寝るところだったんだが……」
雄二「一体何の理由で呼び出したんだ?」
恭介「フッ、それはだな……」
恭介は幕のような物を持ち、自分が持つ反対側を真人に持たせ、
恭介「第1回 勇人の別荘で肝試し大会〜」
と、幕を広げて言った。
恭介「はい、拍手〜」
恭介の声に拍手を出したのは、ほんの一部の人達だけだった。
謙吾「ひゃっほぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
一部めっちゃテンション高いヤツがいるが。
加奈子「肝試しって……」
智子「まだ早いとおもうけど……」
今は4月下旬、夏にはまだ早い。
恭介「急にやりたくなったんだから仕方ないだろ」
純一「そんな理由で俺達は巻き込まれたのか……」
鈴「バカだな」
呆れたり、辛辣な言葉を発する奴がいるが、恭介は無視して話を進める。
恭介「せっかくこんな古城にいるんだ、遊ばないともったいないだろ?」
真人「ま、確かにな」
明久「それは同意するけど……」
恭介「というわけで遊ぼうぜっ!!」
まるで少年のようにキラキラな瞳をした恭介に、みんなは「しょうがないな」と苦笑しながら、遊ぶことにした。
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