MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第141話 ことりと香澄
イメージOP
『VOICE』
◆◆◆
《1の部屋》
ことり「っ!?」
何者かがこの城に侵入したことに、一番最初に気付いたのは、ことりだった。
勢いよくベッドから半身を起き上がらせ、意識を集中させる。
ことりの持つ『読心術』。
枯れない桜による魔法で得た力で、ことりはこの城に大勢の人間が侵入していることに逸速く気づいたのだ。
勇人「侵入者か」
ことり「Σぅわっ!?」
いつの間に彼女の横にいたのか、驚いて声をあげることりの口を、勇人は黙れと言うように指で塞ぐ。
勇人「騒ぐな、他の奴等まで起きて騒がれたら面倒だ」
ことり「……すいません」
小声で話すことりに、勇人は「この部屋で大人しくしていろ」と言い、
勇人「キャスター、悪いが手伝ってくれ。香澄はこの部屋の警護を頼む」
香澄「了ー解っ」
この異変に気付いていたのか、他のみんなが起きないように静かにベッドから出てくる香澄。
勇人の言葉に香澄は軽く頷き了承したが、キャスターと呼ばれた女性はフードで顔を隠しているが、少ししかめっ面をしている。
聖杯戦争でもなく、ましてや相手が魔術師ですらないただの近代兵器を武装した人間であることが、キャスターのお気に召さないようだ。
勇人「頼むよ、キャスター」
キャスター「……わかりました」
かーなーり渋々ではあったが、マスターである勇人の命令に従い、2人は部屋の外へ出ていった。
この部屋に残って起きているのは、この部屋の警護を命じられた香澄と、もう完全に目が覚めて眠気が吹き飛んだことりの2人だけ。
沈黙が続くのも気まずく、ことりはおずおずと香澄とコミュニケーションを取ろうとした。
ことり「勇人くん、大丈夫でしょうか?」
勇人が魔法や悪霊退治といった事件に関わっているのを、ことりは知っていた。
こういった出来事にも慣れているのかもしれないが、それでも心配であることには変わらない。
香澄「大丈夫でしょ、勇人だし」
そんなことりに、香澄はシレッと言い切った。
香澄「殺して死ぬようなやつでもないし」
ことり「……確かにそうですね」
実際香澄の言った通り殺したくらいじゃ死なないのだが、そんなことを知らないことり達でも、今まで学園での勇人の奇行を間近で観ていれば、自然とそんな気がしてくる。
香澄「ま、アイツを心配するだけ無駄なんだから、大人しく待ってればいいのよ」
ことり「そうですね」
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