MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第131話 純一の朝
◆◆◆
《朝倉家-純一の部屋-》
純一「Zzz………」
勇人達が唯のギターを買いに行き、悠希が仕事の先輩を駅まで迎えに行っている頃。
純一は自室のベッドで惰眠を貪っていた。
音夢「………………」
そんな純一の横に立つ義妹である音夢は、その手に持っている広辞苑を………
………純一の顔面目掛けて振り下ろした。
純一「Σ殺気っ!?」
突如覚醒し、純一は素早く身を起こす。
瞬間、純一が先程まで頭を置いていた場所には、音夢が振り下ろした広辞苑が、枕に深々と突き刺さっていた。
音夢「あ、兄さん。ようやく目を覚ましましたか?」
かなり物騒なことをしたにも関わらず、音夢はヤケに良い笑顔で朗らかに笑う。
純一「目ぇ覚めるどころか危うく永眠するとこだっ!! お前は俺を殺す気かっ!!」
音夢「もぅ〜、可愛い妹がそんなことするはずないじゃない」
純一「白々しいにも程がある……」
深く溜め息を吐く純一は、頭をガシガシと掻きながら、
純一「で、どーしたんだよ。こんな朝っぱらから」
音夢「もう朝じゃなくてお昼ですよ。一体いつまで寝てるつもりですか……」
純一「いーじゃねぇか、日曜なんだし。それに明日からはゴールデンウィークで2週間も休みだろ?」
音夢「だからって寝過ぎですっ」
相変わらずズボラな兄に対して呆れた声を漏らしながら、
音夢「一応確認しておきますけど、兄さんゴールデンウィークに予定は?」
と、用件を聞いた。
それに対して純一は「キリッ」と真面目な顔をして、
純一「惰眠を貪る予定がある!」
音夢「暇なんですね♪」
言ったが、良い笑顔でバッサリと否定された。
純一「いや、だからな、惰眠を……」
音夢「暇なんですね♪」
純一「いや、だから……」
音夢「暇なんですね♪」
純一「えーと…………」
音夢「暇なんですね♪」
純一「………………」
音夢「………………♪」
純一「………………はい」
ようやく折れた。
純一「……で、暇だからどーしたってんだよ?」
若干半眼で音夢を睨みながら、純一はめんどくさそうに言った。
音夢「神王様と魔王様から『明日からみんなで旅行に行かないか?』って、誘われたんです」
純一「あの2人か……。みんなって事は、一緒に行くのは勇人や稟達か?」
音夢「ええ……なんでも勇人くんが買い取った無人島に別荘があるとかで、そこに旅行に行くとのことで」
純一「無人島…………」
そんなものを買ったのか、と純一は呆れたように呟く。
音夢も本当なのか冗談なのかよく分かっておらず半信半疑だが、勇人の性格を知っているがゆえに、否定は出来なかった。
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