MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第１２９話 ギターを買いに行こう！
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『桜キッス』
◆◆◆
《喫茶店『アストラル』》
恭介の思い付きで始まった野球も無事に終わり、今勇人は喫茶店の店長席で新聞に目を通しながら、ボーッとしていた。
今日は日曜日。
既に昼が過ぎて客も少なくなり、今は怠惰に過ごしている。
唯「んー、ここのケーキも美味しい〜♪」
澪「よく食べるな……」
紬「それ、四個目よね…？」
唯「だって美味しいんだもん〜」
律「あー、喋らなくていいからさっさと食べろよ」
この店のカウンター席で、軽食を摂っていた軽音部一同。
今日は、唯のギターを買いに行くために集まったのだが、小腹が空いたのか、ここでケーキを食べている。
勇人「どーでもいいが、お前ケーキ代とギター買う金はちゃんと別にあるんだろうな？」
唯「Σえっ、奢りじゃないの!?」
勇人「なわけねーだろ、何驚いてんだ？」
澪「……唯、お前お金は？」
唯「……お母さんから前借りした５万円だけ」
勇人「…………」
澪「……………」
唯「う〜………」
勇人「…チッ…今回だけだぞ」
唯「Σやたっ♪」
律「えー、唯だけズリィ〜」
勇人「あー……ったく………テメェらの分も奢ってやるから、とっとと食え」
律&唯『イェー♪』
澪「……ゴメンな、勇人」
勇人「いい加減馴れたがな……」
澪「…………………」
勇人「……………？」
澪「…………わ、私も食べていいか？」/////
勇人「……好きにしろ」
紬「それじゃ、いただきます♪」
勇人「……やれやれ………」
◆◆◆
《商店街『天神通り』》
店を杏子や希達に任せて、勇人はみんなと唯のギターを買いに楽器屋へと向かう。
勇人「――明日からゴールデンウィークだな」
鳳凰学園では、４月の最後の週の月曜日〜５月の第二週月曜日までがゴールデンウィークの休日となっていて、約２週間位が休みとなっている。
軽い春休みみたいなものだ。
まぁ、その代わりというか、ゴールデンウィークが終わったら直ぐに体育祭と鳳凰武闘会本選があり、それが終われば中間テスト。そしてそれが終われば清涼祭と、連続して行事が続く。
この長いゴールデンウィークは、そのための準備の休み期間である。
勇人「出来ることなら、ゴールデンウィーク中に顧問を見つけてぇな」
澪「ゴールデンウィーク明けたら、一気に忙しくなるしな」
勇人「……あんまり長々と保留にしとくわけにもいかねーってのが一番の理由だ。今学期中に見つけねーと、軽音部は廃部だ」
律「Σマジかよっ、せっかく５人集まったのにっ!?」
勇人「部員の数揃えても、顧問がいないんじゃあなぁ……」
紬「んー…急がないといけませんねぇ」
律「セリフのわりには、緊張感の欠片もないな」
勇人「ま、いつ顧問が来て部活を始められるように、練習だけはしとかなきゃな」
澪「そうだな」
勇人「……つーわけで、律よ」
律「ん？」
勇人「あの今にも所持金使いそうな馬鹿を連れ戻してこい」
勇人が顎で差す方に視線を向けると、みんなでギターを買いに来たにも関わらず、一人洋服屋の展示服を物欲しげに眺めている唯がいた。
唯「この服可愛い……今なら買える!!」
律「Σコラコラコラコラっ!?」
店に入ろうとしている唯を、律は慌てて肩を掴んで引っ張り、店から引き剥がしてきた。
澪「本来の目的を忘れるなよな……」
勇人「先が思いやられるぜ……」
その後楽器屋にたどり着き、四苦八苦しながら選び、ようやく唯のギターを購入した。
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