MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第114話 天才と天然
◆◆◆
《グラウンド》
翌日。
もう最近定番になってきた野球をする勇人達。
試合をするには、まだまだ人数が全然足りないが、試合をするために、今はノックをしている。
が、
真人「って、これはワンカップ海蘊じゃねーかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 何だコレはっ!? ボールが海蘊に変化したとでもいうのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
勇人(アイツは一体何をシャウトしとるんだ……)
てゆーか、
勇人「いつの間にか来ヶ谷が居やがるし」
勇人の視線に気付いたのか、バッターボックスに立ってノックを打っていた真人に、何故かワンカップ海蘊を渡した唯湖は、手をニギニギさせて挨拶をする。
来ヶ谷 唯湖。勇人のクラスメイトの一人で、色々と謎が多い女だ。
唯湖「やぁ、やっとるね少年達」
突然の来訪者に、みんなは唯湖のもとへ駆け寄った。
理樹「突然どうしたのさ」
唯湖「なに、ちょっとした気紛れというやつだ。勇人氏が神北女史を連れてグラウンドへ向かってるのを見て、何をやっているのかと思ってな」
勇人「見ての通り野球だが?」
唯湖「朝倉少年や土見少年が、最近君達の付き合いが悪いことに嘆いていたぞ?」
理樹「まぁ、それは成り行きというか……」
唯湖「秋山女史や白河女史も、勇人氏が中々部活や生徒会に出ないことを嘆いていたが?」
勇人「ぬ………」
唯湖「というわけで私も混ぜろ」
勇人「……どういうわけだ」
唯湖「えぇい、黙れ許可しろこの色魔が」
勇人「随分な言われようだなぁ」
理樹「いや、勇人否定出来ないでしょ……」
勇人「うっせー。つーか、何なんだよ、突然」
唯湖「お前らだけで、何か楽しそうなことをやっているのが気に食わん。私にもピチピチの少女達と一緒に、シッポリと青春の汗をかかせろ」
勇人「……ま、恭介に聞いてみるか」
唯湖「ん? 皆君を中心に集まっているのに、棗兄に了承を取るのか?」
勇人「あ? いや、どう見ても奴が中心だろ」
唯湖「ふむ、そうか」
◆◆◆
恭介が出した、何をさせたいのか良く分からない入団テストをクリアした唯湖は、野球に参加することとなった。
恭介「ランキングバトルのほうも、人数が賑やかになってきたな。よし、ここらで1位の理樹を最下位にしてみよう」
理樹「Σえぇーっ、ちょっと待ってよ!?」
勇人「唐突だな。で、理由は?」
恭介「もちろん、燃えるからだ!」
理樹「燃えるどころか理不尽すぎて逆に冷めるよ!!」
真人「はっ、ついに理樹を解き放つか……」
勇人「覚醒の時は近い!!」
理樹「いや、そんな何も秘められてないからっ」
せっかく1位まで登り詰めたのに最下位まで一気に落とされて、意気消沈な理樹。
深く同情する。
唯湖「見事に見知った顔ばかりだな。まぁ、よろしく頼む」
恭介「ああ、期待してるぞ」
小毬「よろしくねー、一緒にがんばろー」
唯湖「うむ、小毬くんは元気でとてもよろしい。お姉さんがナデナデしてやろう」
………頭を撫でる。
小毬「あぁぅ……」
……なんか逆らえないみたいだ。
唯湖「時に神北女史、メンバーはこれだけなのか?」
小毬「えーと、私、勇人君、理樹君、恭介さん鈴ちゃん真人君と……後、唯ちゃん。7人かな」
唯湖「何だ、まだ野球出来るだけのメンバーすら集まってないじゃないか……して、唯ちゃんとはどこに?」
小毬「ふぇ? ここに」
と、小毬は来ヶ谷を指差す。
唯湖「ん?」
後ろを向く。
唯湖「誰もいないぞ」
小毬「だから、唯ちゃん」
唯湖「むむ?」
小毬「来ヶ谷唯湖だからー、唯ちゃんなのです♪」
唯湖「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………Σ何ぃ!? 唯ちゃんって私かっ!!」
勇人「ま、他に唯って付くやつこの場にいねぇだろ……」
唯湖「いや…ずっと名前など呼ばれたことはなかったからな……普通に反応出来ん。来ヶ谷ちゃんと呼んでくれ」
かなりどうかと思う呼び名を提案する。
小毬「ふぇ? ダメだよ。唯ちゃんは、唯ちゃん」
唯湖「いや、だから………」
なんかバトルが勃発していた。
◆◆◆
小毬「というわけで、今日から唯ちゃんもお友達〜♪」
唯湖「ああ、もうどうだって良くなってきた…お姉さん最早大打撃だよ……」
なんか、決着ついた。
真人「一体何の勝負だったんだよ……」
勇人「さぁな。ま、ただ天然ってタマに恐ろしいよな……」
天才の天敵って言ってもいいかもしれない。
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