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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第111話 入団テスト





◆◆◆



《鳳凰学園高等部1年1組》



翌日の朝の教室。


特にすることもなく、ボーッとしていると、不意に教室のドアが開いた。




葉留佳「やー、おはよう、おはよう」


最近よくこのクラスにやって来た三枝葉留佳は、クラスメイト達の間を泳ぐようにやって来た。


真っ直ぐ理樹の机のところを目指している。


何か談笑していたら、真人がキレて、途中から謙吾もやって来て更にキレる。


その様子を見て、




勇人「あー、今朝のアレは三枝か」



何故か朝、この教室の扉に黒板消しをゴム紐使ってくくった挙げ句、水が入ったバケツが床に幾つも置いてあったのだ。


それに謙吾が引っ掛かり、真人は濡れ衣を着せられたのである。


キレるのも無理はない。


謙吾はいつも常に着ている剣道着を朝から選択し、今は珍しく制服を着ている。


これが普通なのだが、謙吾にしては大変珍しい格好だ。



何か火花を散らして、謙吾と真人が一触即発の空気を発しているが、突然風紀委員がやって来て、




「三枝葉留佳! 寮長室からバケツを持ち出したままなのはあなたでしょう!」



と、デカイ声を出して言った。


風紀委員数名がドカドカと足音高く入ってきて、三枝葉留佳を引きずりながら去っていった。


その様子を見ていたクラスのみんなは「また三枝かぁ」と、さほど興味なく各々の談笑に戻っている。





勇人「……なーんか、随分このクラスに溶け込んでるよなぁ」


別のクラスなのに。




◆◆◆



ランキング順位



一位:『バトルランキング暫定王者』直枝 理樹


二位:『最近不調のエリマキトカゲ』宮沢 謙吾


三位:『乙女ビーム』棗 鈴


四位:『もうすぐ昼休みだな』井ノ原 真人


五位:『あらゆる日常をミッションにするリーダー』棗 恭介


最下位:『最強なんでも魔神』神爪 勇人






勇人「俺と恭介は変動なしだな」



まぁ、観戦してることが多いし。





勇人「さて、放課後は野球の時間だ」





《グラウンド》




放課後のグラウンド。





小毬「よぉーしっ、がんばるよー」



腕をブルンブルンと回して言う。




勇人「取り敢えず、メンバー集めで呼んできたのだが……」


真人「……メンバー集めに対するお前の必死さはよく分かったが、大丈夫なのか、アイツは?」


勇人「フッ、愚問だな。一体何処に不安要素があるってんだ?」


真人「俺には不安要素以外見えないんだが…どう見ても筋肉がねぇぜ……」


理樹「真人は何でも筋肉基準なんだね……」


恭介「視点がなんかエロいな」


真人「Σエロくねぇよっ!!」


理樹「まぁ、エロはさておき…鈴なら神北さんが運動出来るとか知ってるんじゃない?」


鈴「聞いたことない」


真人「ほらみろ」


鈴「ただ、体育の授業でいうと……」


勇人「…………いうと?」


鈴「……記憶にない」


真人「なら言うなよ」


鈴「お前につっこまれる筋合いないわ、ボケぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」



ドスッ!! ドスッ!!


と、いつものように真人が蹴られる。




理樹「正直、僕も不安なんだけど。大丈夫なの、勇人?」


真人「実はものすごい潜在能力の持ち主とかでもないよな?」


鈴に蹴られながらも冷静に語る。


さすが真人だ。




勇人「俺はあると見るぜ。おそらく小毬は終盤に能力の上昇率が大きくなる大器晩成型だ」


恭介「なるほど。大器晩成型は序盤は二軍キャラだが、育て上げれば最終的には最強級のキャラになるからな!」


理樹「……何の話?」


勇人「ま、取り敢えず入団テストとかやらせてみようと思うんだが……」


恭介「そうだな。あの子の実力を試してみるか」



勇人と恭介の言葉に、みんなはコクリと頷いた。




恭介「決まりだな」



話が纏まると、恭介は小毬に入団テストを開始する。




恭介「ええと、神北、だっけか」


小毬「え、うん…棗さんのお兄さんですよね? えーと……」


恭介「恭介でいい」


小毬「恭介さん?」


恭介「ああ、恭介さんだ。じゃあ早速だが、入団テストを始めよう」



さて、一体どんなテストをするのやら。





恭介「野球に必要なものはなんだと思う?」



………微妙な質問。





小毬「えーと…ガッツと、勇気と、そして友情!」


恭介「合格ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!」



恭介はガッシ、と小毬の肩を掴んだ。




小毬「うん、がんばりますっ!」




勇人「………いいのか?」


恭介「いやぁ、あまりに的確な言葉に、俺としたことが思わず感動してしまったぜ」



恭介のその言葉に、真人と鈴は「えー……」という顔をしている。




理樹「……まぁ、人数足りないんだし、ね?」


勇人「無理に納得しなくてもいいと思うがな」






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あきゅろす。
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