MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第110話 バトルランキング
◆◆◆
《鳳凰学園・グラウンド》
放課後。
取り敢えず、明日にでも小毬の入団テストをするらしく今日は帰ってもらい、今は勇人、恭介、理樹、真人、鈴の5人で野球の練習をやる。
希は今日アストラルで厨房に立ってもらっているため、ここにはいない。
勇人は、まぁ、何故か仕事にも生徒会にも部活にも出ないでここにいる。
そして練習が終わった後、みんなでトンボをかけて、荒れたグラウンドをならしていると、
真人「なぁ、俺がしたいのはこんな回りくどいスポーツなんかじゃなく、拳を直接交える熱いバトルなんだが……」
と、ぼやいた。
恭介「お前じゃ、謙吾相手じゃないと張り合えないだろ。勇人は強すぎるし」
そう言ったところで、恭介はフッと何かを閃いたようで、
恭介「あ、そーだ。そいつもルールに則った遊びにしちまおう。そのほうが楽しいだろ、な?」
勇人「今度はどんな遊びだ?」
恭介「バトルランキング! 何故ランキング制にするかというと、燃えるからだ! で、1つ上の奴としか戦えない。対戦は断れない。勝ったらそいつと順位が入れ替わる」
真人「負けたら?」
恭介「負けたら、そうだな……勝った奴から称号が与えられる」
理樹「称号?」
勇人「あだ名みてぇなもんだろ」
恭介「ああ。武器については、対戦が決まったら俺が野次馬を呼ぶ。で、その連中が投げ入れたものから武器を無作為に空中で選び取る。女子は意図的に落ちているものの中から選び取っても構わないとする。これはハンデだ。まず暫定の順位は、そうだな……」
一位:宮沢 謙吾
二位:直枝 理樹
三位:棗 鈴
四位:井ノ原 真人
五位:棗 恭介
最下位:神爪 勇人
一位の謙吾には『バトルランキング暫定王者』の称号が与えられた。
つまりは、不名誉な称号を与えられたら、一位になってその『バトルランキング暫定王者』の称号を手に入れるしかない、というわけだ。
なら、燃えざるをえない。
真人「オーケー。じゃ早速だが、鈴よ、対戦を申し込むぜ。四位なんて不名誉まっぴらだ!」
鈴「いやだ」
真人「テメェ、恭介の話聞いてなかったのかよっ!! 順位が1つ下の奴から対戦を申し込まれたら、断れねぇんだよっ、黙って頷け!」
鈴「…………」
コクリ、と本当に黙って頷いている。
真人「オーケー、そうこなくっちゃな」
恭介が携帯を手に何かを話している。
ポツポツと人が集まり始める。
校内だけでなく、既に下校している生徒も混ざっているのだろう、私服の人間もいる。
暇なのだろうか。
真人「よし、テメェら、武器を寄越せ!!」
盛大に色々なものが投げ込まれる。
鈴「なんだ、お前ら、戦いたいのか!?」
猫「にゃー!!」
鈴の武器は、側にいた猫に決まったようだ。
一方真人は………。
真人「………………」
その手に持っているのは…爪切り!!
真人「まぁいい、相手は猫だ。ダメージは少なかろう。素手よりも効きそうだ!」
勇人「Σいや、あきらかに素手の方が強いんだが……」
素手でのバトルは禁止だとはいえ、真人のアホな発言に流石の勇人も溜め息しか出ない。
真人「鈴、ゆっくり深爪にしてジュースのプルタブ開けられないようにしてやるぜ!!」
鈴の背後には、ワラワラと猫達が集まり始めていた。
真人「Σって、一匹じゃねぇの!?」
恭介「バトルスタート!」
『只のノーコン』
棗 鈴
VS
『憎めない筋肉馬鹿一直線』
井ノ原 真人
真人「いや、ちょっ、待っ…ギャアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」
真人は猫達の一斉攻撃で敢えなく沈んでしまった。
鈴「悪は滅びた」
ランキング変更
三位:棗 鈴
四位:井ノ原 真人
変更はなし。
恭介「勝者、棗鈴!」
うおおーっ!!
歓声がどっと湧く。
恭介「それじゃあ、鈴、真人に称号を与えろ」
鈴「『クズ』」
真人は『クズ』の称号を手に入れた。
真人「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ、そんな称号嫌だああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
理樹「ああ、可哀想に……」
勇人「哀れだな」
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