MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第106話 久々の脅迫
◆◆◆
《喫茶店アストラル》
勇人「ほー……初めてにしちゃ巧いじゃねーの」
その手際の良さに、思わず周りから感嘆の声が漏れた。
希「これでいいの?」
希が勇人の方を向いて、訪ねてくる。
とある日に、喫茶店の厨房で希にケーキを作らせてみたのだが、実に巧い。
クリーム塗りやデコレーションやらをやらせてみたが、恐ろしいほどの器用な腕前を披露し、勇人達を驚かせた。
佐藤「巧いな。この分だと料理も出来そうだ」
勇人「だな。よし、希。お前ここで働け!!」
と、希の頭を撫でながら宣言した。
希はいつもの無表情のまま少し首を傾げて、そしてほんのちょっとだけ、誇らしげに微笑んだ…ように見えた。
◆◆◆
《鳳凰学園職員室前廊下》
勇人「―――と、いうわけだ。構わねぇだろ」
学園長「まったく、仕方がないのぅ……」
翌日、勇人は学園長にあることを頼みこみ、それを聞いた学園長は学園長室に戻って行った。
撫子「……お前は一体何を言ったんだ?」
その様子を眺めていた勇人のクラスの担任『紅薔薇撫子』は、訝しげに勇人に問う。
勇人「いやー、ちょっとジーさんに頼み事をな」
撫子「……脅迫の間違いじゃないのか? お前の胸ポケットに入ってる“脅迫手帳”が見え隠れしてるぞ」
勇人「やだなぁ、そんな人聞きが悪い。ただ人様に言えないような写真を見せびらかして、お願いしただけだぜ?」
撫子「それを脅迫と言うんだ」
はぁっ、と撫子は深い溜め息を吐いた。
撫子「……で、どんな無理難題な“頼み事”をしたんだ?」
勇人「無理難題ってほどじゃねーよ。ただ戸籍とか診察記録とか通学記録とかが存在しない奴を、この学園に編入してくれって頼んだだけだ」
撫子「無理難題だろ……」
勇人「大丈夫だって。俺が身元引受人な偽造の戸籍とか色々用意するし」
撫子「……もう何も言うまい」
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