MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第107話 野球チーム結成…?
◆◆◆
《鳳凰学園渡り廊下》
ある時の休み時間。
何時ものように何となくたむろってる勇人達だったが、唐突に理樹が言った。
理樹「ねぇ、昔みたいに、みんなで何かしない?」
真人「なんだよ、唐突に」
謙吾「何かって?」
勇人「また野良熊でも退治すんのか?」
鈴「やるかっ」
理樹「ほら、小学生の時。何かを悪に仕立て上げては近所を闊歩してたでしょ、みんなで」
鈴「お前らと一緒にするな」
恭介「じゃ……」
恭介が屈んでいた。
その手が何かを拾い上げる。
スピンをかけて回した。
恭介「……野球をしよう」
茶色くくすんでしまった白球を。
真人「へ……」
謙吾「……は?」
その言葉を理解出来なかった2人が、怪訝な声を上げている。
恭介「野球だよ」
もう一度みんなに向き直り、そう告げた。
恭介「野球チームを作る。チーム名は……『リトルバスターズ』だ!」
◆◆◆
《鳳凰学園高等部1年1組》
勇人「……ということが今朝あったわけよ」
時刻は昼休み。
最近いつも屋上で弁当を食っていたが、今日は少し気分を変えて教室で昼食を取る勇人。
理樹達は食堂、ことりやフェイト達は屋上で食べるようで、いつもの面子はここにはなく、勇人は希と2人で昼食を取ることにした。
今日このクラスに(勇人の陰謀により)転入してきた『霧谷希』に今朝の休み時間にあった話をしながら、昼食の弁当を食べている勇人。
希も勇人の話を聴きながら弁当を食べている。
この学園に転入したばかりで、またこのクラスに美少女がやって来たことに歓喜するクラスメイト達だが、その美少女がまたしても鳳凰学園のラブルジョアの一角である勇人のもとにいるため、野郎どもの醜い殺気が深々と教室に溢れ出ていた。
もっとも殺気を受けている当の本人は、何処吹く風といわんばかりに全くといっていいほど堪えていないが………
因みに2人…というより、神爪家に在住している者達が食べている弁当は、セバスチャンお手製のものである。
希「………野球?」
と、希は軽く首を傾げながら言った。
その可愛らしい猫のような仕草に、ソレを観ていた周りの男どもは悶絶していたが、勇人は無視して言った。
勇人「そ。野球。何か急に言い出しやがってなぁ」
まぁ、恭介が突拍子もなく何かをやり始めるのは、別に今に始まったことではないのだが。
勇人「で、多分リトルバスターズやらの、いつもの面子でやるだろうから。希、お前もやれ」
と、勇人は拒否権は与えんと言わんばかりに、弁当にある鶏の唐揚げをパクつきながらそう言う。
希は「何で?」という疑問を、言葉ではなく視線で勇人に訴えていたが、
勇人「ま、早めにこの学園に馴染むには、丁度いいと思ってよ」
いつものヘラヘラとした笑い顔でそう言った勇人を見て、何の気なしに、希はコクンと頷いた。
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