MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第104話 希と勇人達
◆◆◆
《喫茶店アストラル》
静雄「うぉらああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
と、この喫茶&BAR店でバイトしている平和島静雄は、いつものように絡んできたり他の客に迷惑をかける奴等を外へ放り出し、店前で蹂躙駆逐を繰り広げていた。
佐藤「随分荒れてんなぁ、平和島のやつ」
勇人「あー、また学校で色々あってイラついてたからなぁ」
主に折原臨也が仕出かしたことに巻き込まれてだが。
佐藤「……そういや、お前ら2人とも武闘会祭に出てたんだよな?」
勇人「あぁ、予選ね。本選は来月の体育祭だがな」
佐藤「結構スゴイことになってたが、死人とか出なかったのか? 全身複雑骨折したやつがいたような気がするが」
勇人「死人は出てねーよ。神族の優秀な治癒術師がいるから、大怪我負っても大抵その日の内に治るし」
実際、複雑骨折を負った『如月竜徒』は、その日の内に怪我は完治して普通に登校している。
勇人(ま、得体の知れない連中に負けて、心中穏やかじゃないだろうがな)
店の外で、不貞の輩を殴り飛ばす静雄を眺めながら、勇人は軽く息を吐く。
体育祭まで後一ヶ月。極力それまでにロアくらいは討伐して、厄介事の種を1つは潰したいと思いながら………。
◆◆◆
《神爪家・勇人の部屋》
勇人「……………」
家に帰ってきて、自分の部屋の扉を開けた早々、勇人は頭を抱えた。
何があったかというと……
部屋のベッドに、霧谷希が座っていた。
…………何故か全裸で。
希「……おかえりなさい」
全裸の少女が、真っ直ぐな視線を向けてそう言った。
昨日の「ニャー」に続いて二回目の言葉だが……
勇人「何やってんだテメェは……」
喚きもせず、隠そうともせず、超然として座り続ける希に、勇人は溜め息混じりにそう言葉を捻り出した。
希「くしゅんっ」
クシャミした。
勇人「寒いんなら何か着ろよなー」
と、タンスに入れてある自分の服を適当に希に投げ渡す勇人。
香澄「あ、勇人。帰ってたの?」
開けっ放しにしてあった部屋の入り口から、ひょっこりと香澄とC.C.が姿を見せた。
両手に幾つかの衣類を抱えて。
◆◆◆
つまりは、風呂から出たばかり、ということらしい。
しかし替えの服も下着もなかった。
リインフォースとアリシアの服はサイズが合わず(主に胸囲と身長)、イヴの服もサイズが合わない(主に身長)。そして頼子はメイド服しか持っていない。
そして一番サイズが合いそうな香澄とC.C.が、自分の服と下着を持ってきた、ということだ。
もっとも、服を持ってきたのは香澄だけで、C.C.は手ぶらだが。
勇人「つーか、なんで俺の部屋?」
香澄「いや、脱衣場に居ると思ったんだけど、いつの間にか居なくなってて」
C.C.「で、こういう時大抵お前の所に女が居るから、この部屋に来たというわけだ」
勇人「あー、そっすか」
C.C.「しかしお前はつまらん反応だな。ルルーシュなら平静を装おっていても、内心パニックを起こしてくれるんだが」
ルルーシュ「誰が起こすか」
希がようやっと服を着た直後、ルルーシュが部屋に入ってきた。
………その両手には、女モノの衣類や下着が幾つか。
勇人「……なんだ、とうとう女装に目覚めたのか?」
ルルーシュ「違う!」
勇人「まぁ、確かにお前細いし美形だから女装しても似合うとは思うが」
ルルーシュ「だから違うと言ってるだろ!」
勇人「………下着泥?」
ルルーシュ「貴様な………」
C.C.「まったく、そんなに私の下着をオカズにしたかったのか? 相変わらず盛んだなボウヤ」
ルルーシュ「貴様が持ってこいって言ったんだろーがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
C.C.のいつもの弄り発言、眉間にシワを寄せ怒り心頭のルルーシュ。呆れ顔の香澄に、S顔の勇人。
そんな勇人達を眺め、希は、
希「……へんな人達」
と、呟いた。
なんとなく、そこはかとなく楽し気に、
ほんの少しだけ、微笑んでいた。
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