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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第79話 事件の真相





不良達が全員、警察に引き連れされて学園から出ていったのを確認してから、勇人は静雄に押し付けているバイクをどかし、





静雄「………てめぇ」




静雄が呻き、今にも勇人に殴りかかろうとすると、勇人はそれに「ハッ」と清々しく笑い、ポケットからコーラを取り出し、




勇人「ほらよ」




と、静雄に投げ渡す。





静雄「っ、と」




殴りかかろうと駆け出す瞬間に、勇人がコーラを放ってきたので、とっさにそれを受けとる。




静雄「〜〜〜〜〜〜っ」




まったく治まったわけではないが、変に怒りを削がれて、殴りかかろうと上げた手を何処に向けていいのか判断出来ず、取り敢えずコーラのプルタブを開ける。飲む。冷たい炭酸が喉を刺激して、





静雄「…………チッ」




と、舌打ちした。




怒りは完全に治まらないが、うちの学園の生徒が襲われようとして助けた結果である。と、静雄は無理に自分を納得させようとして、怒りを抑えるのに専念した。もっと他にやりようはあっただろ!!と言いたくもなったが、怒りが振り返してきそうなので止めた。





勇人「で、大丈夫だったか。お前達?」




と、勇人は暴走族に襲われていた女生徒2人に聞く。




椋「は、はい…大丈夫です……」


杏「いやー、助かったわぁ。アイツ等しつこくて困ってたのよ」



と、それぞれ違う反応で答える。




真人「つーかよ、お前がいつもみてぇにズバァッとアイツ等やっつければ早かったんじゃねーか?」


謙吾「何で突然相手のバイクをかっさらって行ったんだ?」


勇人「ちょっと青春の衝動に駆られてな♪」


謙吾&真人「「なんだそりゃ」」





理樹「あ、でもなんでさっきの人達、この学校を襲ってきたんだろ?」



理樹の疑問に答えるように、恭介がそれに答える。




恭介「平雄って奴を捜してたみたいだな」


理樹「平雄?」


恭介「そう」


鈴「誰だそれは?」


恭介「さぁな。勇人が調べるんじゃないか?」


そう言うと、杉並が肩をすくめ、




杉並「言っておくが、この学園に『平雄』なんて名前の持ち主はいないぞ」



と、言った。




純一「?。どういうことだよ」


勇人「ま、それについては俺様から説明してやるよ」



勇人はみんなにそう言って、静雄の方を向き、



勇人「静雄、お前が押さえ込もうとしているやり場のない怒りを向ける矛先を教えてやろう」



と、言った。静雄は眉を潜めながら、



静雄「あ゙あ゙?」




と、機嫌悪そうに答えた。




勇人「奴等が言ってた『平雄』なんだがな。『葛口組』っつーヤクザが、獄悪高校の体育倉庫に麻薬隠しててな、それが5日前に盗まれて、ロシアの墓掘り人と呼ばれる殺し屋集団のロシアンマフィア『ギーグファミリー』に売られたって事件があったんだ」




勇人の言葉に、聞いていた杏と椋は目をパチクリとさせて、ポカーンとした。



杏「いやいや、殺し屋とかマフィアとかアンタ、漫画の読みすぎでしょ」




呆れながら笑う杏だが、周りの、勇人のことを知っているみんなは、そんな台詞が勇人の口から出てきても笑うような気配がないのを見て、



杏「………え、マジなの?」



と、呟いた。




純一「………ヤクザとかマフィアとか麻薬とか、随分すげぇ事件だったのな」


稟「それじゃあ、それをやったのが平雄って奴か? この学園じゃない何処かの………」


勇人「いや、そーじゃねぇ。盗んだ奴は適当なこそ泥なんだが、そのこそ泥を雇った男が『もし誰かに見つかったらヘイワジマシズオって名乗れ』って言われたらしくてな」



みんな「「「……………え?」」」




勇人の発言に、みんなの視線が、コーラを飲んでいた静雄に向く。





勇人「でも平和島静雄って名前長ぇーじゃん? で、それを言われてたはずのこそ泥が、名前の頭文字と一番最後の漢字しか覚えてなくて『俺は平雄だ!!』とか叫びながら麻薬を盗んでな。で、麻薬を盗られたせいで今回の事件が起きたと」




みんな「「「………………」」」




みんな言葉を失っているが、静雄は勇人の話を聞いて額に青筋を浮かばせ、




静雄「…………おい、勇人。そのこそ泥にそう指示したって野郎は………」




静雄はそんなことをする男に心当たりがあり、横にいる新羅も、静雄の推測と同じ男を頭に浮かべる。



そんな2人に勇人は心底楽し気に、爽やかに、清々しく、
























勇人「ああ。お前の推測通り、黒幕は折原臨也だぜ♪」





――――――ドォッ!!!!!!




勇人の言葉を聞いて、静雄は手に持つコーラの缶を握り潰し、一気に駆け出した。





静雄「いぃぃぃぃぃざぁぁぁぁぁやぁぁぁぁぁ!!!!!!」




雄叫びを上げながら爆走していく静雄。まず間違いなく臨也を殺しに行ったんだろうが、2人と一番関係の深い岸谷新羅が、




新羅「ほんと、臨也も相変わらずだなぁ」





などと、にこやかに言うものだから、例え超人的な肉体を持った静雄が本気で臨也を殺しに向かっても、まったく問題はないのだろう。いつものことと。臨也の身を心配するのも、暴走した静雄を止めるのも馬鹿らしくなってくる。まぁ、実際殺されても臨也の自業自得なわけだが…………。






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